「日本産ロボット」に影響を受けたターンベース×アクションゲーム『Dual Gear』、日本語吹き替え&字幕を収録したアルファ版が公開中
発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第220回目は『Dual Gear』をピックアップする。タイのバンコクに位置するインディーデベロッパーが開発する同作は、日本産のロボット文化に影響を受けたというターンベースストラテジーゲームだ。プレイヤーは人型ロボット「Dual Gear」部隊を駆り、世界中で展開される様々なミッションに挑戦してゆく。
世界の混乱で戦場の主役となる「Dual Gear」
2064年、『Dual Gear』の世界では宇宙にて新たなエネルギー源が発見され、時代革新が進みつつあった。大国と複数の宇宙関連組織は、月の発電所から送られてくる光子マイクロエネルギーを集積するため、地球の低軌道上に巨大ステーションを建造する「ガイアベルト」プロジェクトを始動。これにより、人類の宇宙ロボット工学技術は飛躍的に発展することとなる。
2101年に入ると、「ガイアベルト」プロジェクトはようやく第1フェイズを終了し、テスト運行でエネルギーの集積を開始。しかし謎のテロリスト集団がステーションを攻撃し、派遣された「Orbital Gear」の部隊の防衛もむなしく、ステーションは壊滅してしまう。破壊されたステーションの断片は、ほかの軌道上の建造物を巻き込みつつ地球へと落下。この大事件の爪あとは深く、地球が元の状態に戻るには100年以上の月日が必要になると伝えられているという。
『Dual Gear』の舞台となるのは、この大事故が起きた後に混乱期を迎えている地球圏だ。Thinity Element社、通称「TEC」は民間軍事企業PMCを含む世界中のクライアントに向け戦闘用ロボット「Dual Gear(旧Orbital Gear)」を流通させており、ゲーム内ではこのDual Gear同士の戦いが描かれることになる。
『Dual Gear』のゲームプレイは、クラシックなターンベースストラテジーとリアルタイムの3人称視点アクションが融合している。プレイしたことがあるのなら、『戦場のヴァルキュリア』シリーズの「BLiTZ」システムを頭に浮かべるとわかりやすいだろう。プレイヤーは部隊の各Dual Gearをそれぞれリアルタイムで移動させ、敵の攻撃を回避しつつ目標ポイントへ向かい、次に使用する武器とそのターゲットを決定する。攻撃判定がカットシーン中に処理されると、まだ行動を続けるか別の機体の操作に切り替えるかを選択することになる。この辺りは文章から想像するよりも、すでに公開されているデモをプレイするか、映像を見てもらった方が手っ取り早いかもしれない。
なお本作にはアクションポイント(AP)とジェネレーター出力(GP)が存在しており、移動や武器の使用にてそれぞれを消費することとなる。サブマシンガンやミサイル、キャノン砲などの各武器には異なる射程や弾数や消費ポイントが設定されており、プレイヤーは頭を捻らせつつどこへ移動するのか、どの武器を使うのかをリアルタイムで慎重に決断しなければならない。上手く味方同士で連携できれば、戦闘中に連鎖コンビネーション攻撃が発生することもあるという。
このほか、様々な戦場へと部隊を派遣する輸送機の管理や、パイロットのリクルートに敵を説得し味方に付けるネゴシエーションシステムなどの搭載も今後予定されているとのこと。およそ30ミッションを収録したストーリーキャンペーンを軸に様々な遊びが用意される模様で、本当に完成するのかという不安を抱きつつも期待したいところだ。
なお前述した通り本作はすでにプリアルファ版デモが公開されており、なんとすでに日本語吹き替えでプレイすることが可能となっている。Unreal Engine 4で描かれるビジュアルは『アーマード・コア』『フロントミッション』を想起させるところで、日本人にも馴染みやすい作品として注目を集めるかもしれない。
現在『Dual Gear』は6万ドルの開発資金獲得を目指すクラウドファンディングをIndiegogoにて実施中。本作が気になる人、デモをプレイしたいユーザーは、チェックしてみよう。