物理演算とバレットタイムを組み合わせた2Dアクション『My Friend Pedro』開発中、「マトリックス」式アクションが炸裂する男の美学ゲーム

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第217回目は『My Friend Pedro: Blood Bullets Bananas』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第217回目は『My Friend Pedro: Blood Bullets Bananas』をピックアップする。

本作は主人公が空飛ぶバナナ「ペドロ」に導かれ、道端のギャングたちを次々と倒してゆくという、ぶっ飛んだ設定の2Dシューティングアクションゲームだ。過去にはフラッシュゲーム『My Friend Pedro』として無料公開されていたが、今作では元の2Dグラフィックを3Dに一新し、さらに馬鹿馬鹿しくも男の美学が光る新規要素がいくつか導入されている。

『My Friend Pedro』は、『魂斗羅』などに近いタイプの2D横スクロール・シューティングアクションゲームである。空飛ぶバナナの友人「ペドロ」に導かれた主人公は、倉庫や裏路地などにいるギャングたちを両手に持った銃で次々と撃ちぬいてゆく。WASDで移動し、マウスで銃口の向きを調整するタイプの作品で、プレイヤーは四方八方から現れる敵に次々と照準を合わせて対処。敵が落とした武器や弾丸を拾うことができ、両手拳銃からショットガンまで様々な銃器を扱うことになる。

ゲームの特徴の1つとなっているのが、ジョン・ウーの香港ノワール映画で見られるような”アクロバティック・アクション”だ。操作キャラクターはジャンプするだけでその場で無駄にクルクルと回転。宙で回転しながら360度周囲すべての敵を撃ち抜いたり、窓を突き破りながら敵に弾丸をお見舞いしたり、アンカーに引っかかったまま揺れながら銃を乱射したりと、男のロマンにあふれたアクションを満喫することができる。さらにプレイ中は一時的に時間の進行をゆっくりにする、いわゆる『Max Payne』の”バレット・タイム”を発動することができ、「マトリックス」風のアクションをこれでもかと楽しむことが可能だ。

またここ最近の開発ブログにて公表されているフラッシュ版には無かった新たな要素が「物理演算アクション」。主人公は様々なオブジェクトを撃ったり蹴ったりすることが可能で、たとえばミンチにした敵の頭部をほかの敵に蹴ってぶつけたり、投げたフライパンに銃弾を叩き込み跳弾で敵を倒したり、ガソリンタンクをオーバーヘッドキックして銃で撃ち爆発させるといった曲芸を決めることができる。銃で撃ち殺した方が手っ取り早い気もするが、おそらくこういった素敵なアクションが必要になる場面もゲーム中には出てくるのだろう。おそらく。

開発を担当しているのは「Deadtoast Entertainmnet」、PC版『Rag Doll Kung Fu』や『LittleBigPlanet』『LittleBigPlanet2』の制作に参加してきた開発者1人が所属する。今作では単なるアニメーションが美麗な作品というよりも、プレイヤーが実際に操作できるアクロバティックなアクションを作りたいと考えているそうだ。現在『My Friend Pedro』はさらに電流を走らせる「パルスガン」などの新要素にも取り組んでおり、どのような作品になるのか気になるところだ。

現時点で『My Firnd Pedro』の対象プラットフォームはPC/Mac/Linuxとなっており、リリース時期はそう遠くない将来とされている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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