「スライム」を飼育する牧場シミュレーション『Slime Rancher』が開発中、あらゆる物をバキュームガンで吸う一人称視点アクション要素アリ
発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第216回目は『Slime Rancher』をピックアップする。本作はキュートなスライムを飼育する「スライム牧場」を舞台としたシミュレーションアドベンチャーゲームだ。すでにSteam Greenlightを突破しており、近日中にもSteam早期アクセスにてリリース予定。また公式サイト上で20ドルにて予約販売も開始されており、購入者はSteamキーと早期アクセス版を入手することができる。
『Slime Rancher』の主人公となるのは、やる気に満ちあふれた若き牧場主「ビアトリス・ルボー(Beatrix LeBeau)」だ。プレイヤーは地球から数千光年離れたどこかの惑星の「スライム牧場」を運営し、資金を貯めて牧場の拡張やアップグレードを繰り返しつつ、まだ見ぬ地を求め広大な世界を冒険してゆくことになる。また『Slime Rancher』は一人称視点のアクションアドベンチャーでもあり、プレイヤーは所持している「バキュームガン」で、スライムから果物まで通常サイズであればありとあらゆる物を吸引したり排出することが可能だ。インベントリ内には最大で4種類のアイテムを格納できる。
スライム牧場の朝は早い。プレイヤーの分身であるビアトリスは、朝起きたら畑で育てている野菜や果物を収穫して、飼育しているスライムたちにエサやりをする。『Slime Rancher』の世界には様々なスライムが生息しており、種類によっては肉食だったりするため、ニワトリを育成しておくことも重要だ。そしてエサをやるとスライムは「Plort」と呼ばれるアイテムを産み落とすので、これを収穫して売ることで資金を獲得できる。この集めた資金でより特殊なスライムを育成できるよう牧場をアップグレードしたり、「ジェットパック」などを購入してビアトリスのアクションを強化したり、あるいは新たなエリアを解禁したりするというのが、『Slime Rancher』の大まかな流れである。
エサやりとPlortの収穫を終えたビアトリスは、スライム牧場の外に広がる広大な探索エリアの調査へと向かう。より高価な「Plort」を産み落とす新種のスライムを捕獲したり、畑の種にもなる新たな野菜や植物を集めたりと、やることは多い。また敵対心を持つスライムの攻撃をかいくぐって秘密のエリアにたどり着いたり、鍵を手に入れさらに新たなエリアを解禁するといった要素もある。
すでに予約者に提供されている早期アクセス版はそれなり遊べる内容となっている。意外にも一人称視点アクション要素、特にビアトリスが持つバキュームガンのメカニックの出来がよく、可愛い鳴き声を挙げるスライムを空高く排出して遠くに飛ばしたり、引きずり寄せつつ慣性の力で海に落っことしたりするだけでも楽しい。またこのバキュームガンはスライムの移動やPlortの納品などでも活躍し、牧場内での移動や物資運搬の手間を短縮することができる。敵対心を持ったスライムに対抗する際にも、バキュームガンの吸引力が役立つことになる。
またなんといっても、スライムがキュートなのが本作最大の魅力だろう。集めてきた大量のスライムを飼育小屋に敷き詰め、少しばかり眺めているのも楽しいし、心が癒される。単純に可愛いだけでなく、スライム同士を掛け合わせたり、スライムに特定のアイテムを与えることで新しい種を生みだすことも可能で、どのようにすればレアなスライムが誕生するのか模索するのも面白そうだ。
ゲームの開発を担当しているのは、米国カリフォルニア州に位置する2014年設立のインディーデベロッパー「Monomi Park」。オンラインゲーム開発会社Three Ring Designに長年在籍していたNick Popovich氏と、同じく元社員のMike Thomas氏によって設立された。本作『Slime Rancher』は、Monomi Parkにとって初のゲームタイトルとなる。
前述したように『Slime Rancher』は公式サイトにて20ドルで予約販売されており、購入すればDRMフリー版にくわえ早期アクセス版へのアクセス権とSteamキーが与えられる。近日中にはSteam早期アクセスでも販売予定とのことで、気になる牧場主はチェックしておこう。