サムライの殺し屋が「時間操作ドラッグ」をキメつつ戦う『Katana ZERO』が開発中、ネオンが怪しく光る80年代サイバーパンク世界が舞台

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第212回目は『Katana ZERO』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第212回目は『Katana ZERO』をピックアップする。本作は米国のインディーデベロッパーAskiisoftが開発を進める2Dアクションゲームだ。ネオンがギラギラと光る80年代のサイバーパンク世界を舞台に、プレイヤーは1本の刀と”時間操作ドラッグ”で戦う「サムライの殺し屋」を操作し、依頼主から指示された標的の殺害を目指す。

『Katana ZERO』は今年8月の海外イベント「PAX Prime」にて登場していたタイトルで、当時からそのスピーディーなアクションやむせ返るようなサイバーパンクの臭いがひそかに注目を集めていた。ゲームはステージクリア型の2Dアクションであり、プレイヤーは「サムライの殺し屋」を操作して、ステージ内に存在するすべての敵を倒しゴールすることを目指す。

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基本操作は「走る」「斬る」「回避」する。壁ジャンプやグラップリングフックを使用した移動、またステージ上にあるアイテムを拾って敵に投げつけたりするアクションも存在する。敵が撃った弾丸を弾き返すことも可能だ

もしこの手のジャンルが好きなプレイヤーに説明するのなら、『Katana ZERO』は2Dサイドスクロール版『Hotline Miami』のような作品だと考えるとわかりやすいかもしれない。ゲーム内にヘルスバーなどは存在せず、プレイヤーが操作するサムライと敵はどちらも攻撃を一撃でも受ければその場で死亡する。たがいに一撃必殺だ。また各ステージは短く区切られており、リスタートもすぐに始めることが可能。視界外から迫ることである程度は敵に気づかれなくなるステルス性や、会敵したあとの敵との手に汗握るスピーディな戦いのやり取りも、『Hotline Miami』を想起させる。

『Katana ZERO』最大の特徴が、トレイラーでも見られる「時間操作」だ。主人公のサムライは時間操作ドラッグ「クロノス」を使用することで、左上に表示されているゲージ分だけゲーム中の時間の進行をゆっくりにすることができる。要は『Max Payne』のバレットタイムのようなもので、プレイヤーは敵から放たれた銃弾を剣撃にてジャストタイミングで弾き返したり、また難所を突き進むサムライを慎重にじっくり操作したりすることができるというわけだ。キメていない状態のスピーディなアクションとの緩急や、どこで「クロノス」の力を消費するのかと考える戦略性が、見ているだけでも面白そうである。

『Katana ZERO』の対象プラットフォームは現時点で未定ながら、2016年後半のリリースが予定されている。遊ぶことができるのはしばらく先となりそうだが、今年8月には海外メディアGameSpotのプレイ映像が披露されており、具体的にどういうゲームプレイが楽しめるのか気になる読者はこちらをチェックしてみるといいだろう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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