発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第209回目は『My name is Mayo』をピックアップする。本作は「マヨネーズの瓶を触る」、ただそれだけのゲームである。
今年1月、コスタリカの開発者であるCryathur氏、joramo氏、monstrolito氏の3人がチームを組み、48時間でゲームを完成させるゲームジャム「Global Game Jam 2015」へと挑戦した。当時どういった経緯があったのかは語られていないが、3人が考えた結果生まれたアイディアが「マヨネーズの瓶を触り続けてマヨネーズの瓶のストーリーを知るゲーム」といものである。残念ながらこの案は企画倒れにも失敗作にもならず最後まで仕上げられ、本作『My name is Mayo』として完成してしまった。
基本的にゲーム内でプレイヤーができるのは、マヨネーズの瓶を指先でコツンと小突くだけ。左上には、プレイヤーがマヨネーズの瓶をつついた回数が表示されている。マヨネーズの瓶を小突き続けるとなにやら実績が解除され、その実績を選択した状態で小突き続けるとまた次の実績が解除される。実績はそれぞれマヨネーズの瓶の過去を伝えるメッセージとなっており、実績を解除するごとにストーリーを読み進めることができるようになるというわけだ。『Mayo name is Mayo』は、本当にただそれだけのゲームである。
『My name is Mayo』はいわゆる『Cookie Clicer』のようなタイプのクリッカー作品と言えるかもしれないが、過去のクリッカー作品と比較するとあまりにもシュールで奇妙すぎる。むしろ『Mountain』のような作品に近いだろう。単なる一発ネタで開発されたかもしれないが、プレイを始めると物語の次の展開がついつい気になってしまうし、次の実績でマヨネーズの瓶がどういった服装をしているのか知りたくなるなど、妙な魅力がある。マヨネーズ瓶のビキニ姿も意外に可憐だ。
本作は現在Steam Greenlightにて発売されており、通過すればSteamで0.49ドル(か同額のピーナッツ)での販売が予定されている。50種類の実績やリーダーボード、そしてSteamトレーディングカードにも対応しており、マヨネーズの瓶中毒でないプレイヤーはこちらの方が気になるところだろう。このほか、Global Game Jam版が現在PCとAndroid向けに無料で配信されている。