「犬」となって町をさまようオープンワールド犬アクションRPG『Home Free』が正式発表。飢えずに生き延び、家を見つける

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第190回目は『Home Free』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第190回目は『Home Free』をピックアップする。『Goat Simulator』の登場以降、インディー界隈では様々な動物シミュレーターゲームが登場してきたが、本作はいたって真面目な「犬」を主役とするオープンワールドアクションRPGだ。プレイヤーは見知らぬ町で迷子となった一匹の犬となり、食料を集めて飢えをしのぎつつ、縄張りを広げて自身の家(ホーム)を確保しなければならない。

人間の町でサバイバルする犬の物語

『Home Free』を開発するのは、米国のインディーデベロッパーKevin Cancienne氏だ。『Half-Life』のModderとしてキャリアをスタートさせ、以降は『Drop7』など様々な作品の開発にたずさわってきた人物で、本作にはすでに2年以上の歳月を費やしているという。『Home Free』がどんな作品なのかは、Cancienne氏の言葉に耳を傾けた方が早いだろう。

「あなたは犬です、複雑に広がった見慣れない町で迷子になってしまいました。あなたはあてもなくストリートを歩き、自分の隠れ家のため、顔見知りのため、ゴミを漁ります。ゆっくりと、あなたは自身の恐怖に打ち勝ってゆくでしょう。どこで骨つき肉を手に入れることができるのか、どこで夜でも温かく安全に眠れるのかを学びます。未知のストリートは、次第に馴染みのある縄張りへと変化していきます。一つ一つ、通りはあなたのものになってゆきます。友人を見つけてゆきます。やがては、恐らくそこが、家(ホーム)になるのです」

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プレイヤーは約12種類の犬種のなかから自身の分身となる犬を選択し、自動生成で広がるオープンワールドの「人間の町」へと迷い込むことになる。プレイヤーのおもな目的の一つは食料を確保することだ。ほかの犬に見つかっていないポイントを見つけ、ゴミを漁る、友好的な人間にはねだる、あるいは人間から盗むなど、様々な手段で食料を手に入れなければならない。

また、町中に居座るほかの犬や人間たちとの交流も本作のメインの要素だ。友好的な犬へ手に入れた食料を与えたり、公園で追いかけっこをしてじゃれあったりしてもよい。逆にプレイヤーに好意的ではないNPCたちも存在しており、彼らは排除しようと追いかけてくることさえある。プレイヤーは、単純に走るだけでなく飛びつきから取っ組み合いまで様々なアクションを実行でき、町でのサバイバル生活に役立つ。

なおKevin Cancienne氏によれば、『Home Free』には「Dog Park」と呼ばれるローカルマルチプレイヤーゲームモードも付属するという。最大4人のプレイヤーが犬となって、公園でかけっこをしたりじゃれ合ったりするという平和的な内容だ。

現在『Home Free』はKickstarterキャンペーンを実施しており、開発資金5万ドル(約600万円)の獲得を目指している。支援した額によってはユーザー自身が人間NPCとして登場したり、あるいは飼い犬を登場させることができる。発売は2016年秋、対象プラットフォームはPC/Macを予定している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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