「神の手」で他人の人生をいじくり回すゲーム『TGL: ThanksGiving LIFE』が開発中、町に住む人々の夢をどう叶えるか

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第189回目は『TGL: ThanksGiving LIFE』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第189回目は『TGL: ThanksGiving LIFE』をピックアップする。本作はプレイヤーが全知全能の「神の手」を操作し、町に住む人々の人生をいじくり回すという内容のタイトルだ。どことなく『せがれいじり』を思い起こす人も居るかもしれないが、どちらかと言えば『シムズ』のようなサンドボックス型のシミュレーションタイトルとなっている。

神の手はピープスの夢を叶えるか?

『TGL』においてプレイヤーは、様々なゴッドパワーを持つ神の手を操作し、町に住む「ピープス(Peeps)」たちの夢を叶えてゆくことになる。ピープスは年齢層から性別、性格に収入まで様々だ。恋人を見つけたい、金持ちになりたい、ロックスターになりたいなどの夢を抱いており、プレイヤーは彼らのために様々な”奇跡”を起こしてゆく。彼らの夢を叶えることでソウルポイントを集め、神の手が持つゴッドパワーを成長させ、さらにほかのピープスの夢を叶えるというのが、本作の一連の流れである。

『TGL』において愉快なのは、ピープスの夢を叶えるため、神であるプレイヤーは正義にも悪にも染まることができる点だ。たとえば金持ちになりたいという夢に対し、プレイヤーはピープスを真面目に働かせるか、あるいは手っ取り早く銀行強盗をさせるかを選ぶことができる。プレイヤーの選択は「善」か「悪」か「中立」かで判断され、神の手の外見に従って変化し、さらに使用できるゴッドパワーも制限されていくという。

「神の手」が持つゴッドパワーも多種多様だ。単純にピープスやオブジェクトを持ち上げて移動させるといったものから、弓矢で他人同士を恋仲にしたり、炎を発生させたり。時にはピープの決断や選択を左右することもできる。『TGL』の世界はサンドボックス的なシミュレーション世界となっており、昼夜の概念や天候の変化なども存在する。ピープスが息づく世界をただ滅茶苦茶にするというのも楽しいだろう。

またこのほか『TGL』にはマルチプレイヤー要素の搭載も予定されており、プレイヤーはフレンドと協力してピープスの夢を叶えたり破壊したりすることができる。フレンドがピープスに与えた影響を引き継いでプレイするかなどを選択できたり、また同じワールド上で異なる時間差でプレイするといったことも可能であるという。

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ピープスを助けるか、いじめるか

デベロッパーのDDT gamesによれば、『TGL』は『シムズ』のリアルな世界シミュレーションと、『Roller Coaster Tycoon』のサンドボックス性にインスピレーションを受けて開発をスタートしたという。ほかにもピーター・モリニュー氏がかつて開発した『Black and White』や、映画「The Thirteenth Floor」や「Bruce Almighty」といった作品の影響も明らかにされている。

現在『TGL』はKickstarterにて1万5000ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施している。今回のファンドが成功すれば、2016年10月には正式リリースを迎える見込みで、その直前にアルファテストや早期アクセスでのリリースが実施されるという。対象プラットフォームは現時点ではPC/Mac/Linuxとなっているが、集まった資金によってはコンソールでの配信も検討するようだ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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