王を失った世界を進むRPG『For the King』が開発中。戦闘だけでなくマップ探索も調査もターンベース、オンラインCo-opにも対応

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第185回目は、ターンベース型RPG『For the King』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第185回目は、ターンベース型RPG『For the King』をピックアップする。本作はターンベースでの世界探索や戦闘をメインに据えたロールプレイングゲームである。ターンベースRPGにローグライク的な要素を盛り込み、オンラインCo-opプレイにも対応している点が本作の特徴だ。

王を失った世界を”ターンベース”で探索

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戦闘もJRPG的なターンベース

『For the King』の世界では、かつて君臨していてた「Fahrul王国」の王が何者かに殺害されてしまい、国は混沌へと陥ってしまった。女王は市民たちに助けを求め、立ち上がってこの破滅への道を断つよう懇願している。プレイヤーは市民たちによって結成された急造パーティーを導き、自動生成されてゆくマップ上を進んで王国を救うことを目指す。

キャラクターが死亡すると永久死(perma-death)するのかなどは明記されていないし、やや俗っぽくはあるのだが、本作は「ローグライク要素を盛り込んだ『Civilization』っぽいターンベースRPG」と捉えるとしっくりくるだろう。プレイヤーは3人のパーティーを組んで、自動生成されるヘクスマップ上を進んでゆく。各ターンごとにパーティーには行動ポイントが割り当てられており、戦闘だけでなく1マスを移動したり各地を調査するのにもポイントを消費する。

怪しげな場所や言い伝えを調査したり、クエストを攻略したり、町や村でパーティーたちを休ませたり、あるいはダンジョンや炭鉱跡を探索したりと、プレイヤーがやるべきことは山ほどある。ここで面白いのが、『For the King』では3人のパーティーを“分割”することができるという点。プレイヤーは1人1人の市民たちを個別に操作して探索範囲を広げるのか、あるいは3人で慎重に冒険を続けてゆくのかを選択することができるという。

装備品のクラフト、戦闘クラス、天候変化、オンラインCo-op

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ハーブやアーティファクト集め、王が殺害された謎の解明などなど、大量の要素が盛り込まれている

本作はこの基幹となるターンベースのデザイン以外にも、実にさまざまな要素が盛り込まれている。プレイヤーはパーティーメンバーを通じてさまざまなアイテムや装備を集めたり、あるいは素材や設計図を集めて強力な武器をクラフトすることが可能だ。また各市民には戦闘クラスを集めており、「The Hunter」や「The Scholar」、「The Blacksimith」といった基本クラスから、「The Woodcutter」や「The Herbalist」、「The Trapper」といった冒険中にアンロックできる特殊クラスが存在する。もちろんそれぞれが固有のスキルやステータスを持っており、たとえば弓矢で戦う「The Hunter」は体力や力は低いが感覚が鋭くスピードが早い、そして一定距離内の敵や罠をを感知できる「Keen Eye」を持つ。

このほか各種アクションに影響を与える天候&自然システム、砂嵐や大雨といった大規模な災害などが存在し、それらに対処することができる各種アイテムやツールも存在している。さらにここに、パーティーメンバーの3人をそれぞれのプレイヤーが操作するというオンラインCo-opも盛り込むというのだから、『For the King』はかなり大規模な作品だ。

本作の開発を進めるIronOak Gamesによれば、同作はPC/Mac/Linux向けにリリース、ストレッチゴールに到達すればPS4やXbox One版も発売する予定だという。Steamを通じて早期アクセスにて開発を進めてゆく考えで、さらに現在はKickstarterにて4万ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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