人類滅亡後の世界を1体のロボットが冒険する『The Uncertain』機械は人の心を学べるか?

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第178回目は、『The Uncertain』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第178回目は、『The Uncertain』をピックアップする。『The Uncertain』は、人類が滅亡した後の世界、いわゆる“ポストアポカリプス”をテーマにした3Dアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは1体のロボットを通じて、滅亡後の世界から人類たちの痕跡をたどってゆくことになる。

創造主が消えたロボットたちの世界

『The Uncertain』の世界は、戦争により人類が滅亡してから長い年月が経過している。創造主を失ったロボットたちは、かつての人類のように社会を形成しつつあるという。ただ、ロボットたちは合理的主義であり、人類のように戦争をしたり、誰かを排除したりすることはない。プレイヤーは1体のエンジニアロボットとなって、かつて人類が住んでいた住処や場所を訪問し、人の心を理解してゆく。

ゲームのポイントは、プレイヤーの視点が「ロボット」であるという点だ。主人公のエンジニアロボットは、古い本でかつての人の暮らしや歴史を知ることはできているが、人がかつて持っていた「感情」や「気持ち」までは知ることができていない。たとえばとある家具をエンジニアロボットが見たとしても、ロボットはそれがどのように動作するのか、そしてどのような構造をしているのかしか考えられないという。人間のように、家具の色調や優雅さといった美的感覚を捉えることはできないのだ。しかし本作の冒険を通じて、主人公のエンジニアロボットは本を読む以上の体験を通じ、かつての人類を知ってゆくことになる。

ゲームは物語重視のアドベンチャーゲームとなっており、Unityエンジンで描かれる美麗なビジュアルと、幻想的なサウンドトラックがストーリーを彩ってゆく。ゲームプレイの面では、パズルのほかカーチェイスやステルスといったアクション要素も盛り込む予定のようだ。各シーンの選択肢により結末が若干変化するといった仕組みも明らかにされている。

『The Uncertain』は2016年初頭にリリース予定。対象プラットフォームはPCおよびコンソール/モバイルデバイスを予定している。現在はSteam Greenlightにも登録されているので、気になる読者はチェックしてみよう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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