“繰り返される12分間”からの脱出を目指せ『Twelve Minutes』リアルタイムで進行するタイムループ・アドベンチャーゲーム
発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第177回目は、『Twelve Minutes』をピックアップする。今年4月に紹介したアドベンチャーゲーム『Garbage Day』と同様に、本作は「タイムループ」をテーマにしたアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは繰り返される12分間のなかで物語の真相を突き止め、時の牢獄から脱出しなければならない。
参考記事: 繰り返す1日からの脱出を目指す”ループもの”オープンワールドゲーム『Garbage Day』
繰り返される“帰宅後の12分間”
『Twelve Minutes』の舞台となるのは2LDKの小さなアパートだ。プレイヤーの分身である「アーロン」は、午後7時55分に仕事から帰宅し、いつものように妻のサラと食事を取り始める。しばらくすると、アパートに一人の警察官がやって来て、アーロンはサラと共にわけもわからぬまま拘束されてしまう。警察官によると、サラは自身の父親を殺害したのだという。
警察官に頭部を蹴り上げられ、アーロンの意識は闇のなかへと落ちていく……。目が覚めると、アーロンはリビングに立っていた。時間は午後7時55分。彼は何度か同じことを繰り返したあと、自分が帰宅してからの“12分間”を何度も体験していることに気づく。プレイヤーはこのアーロンを操作して、妻サラが父親を殺害したという事件の真相を解き明かし、タイムループからの脱出を目指さなければならない。
自由な1日を過ごすことができるオープンワールドゲームの『Garbage Day』とは異なり、『Twleve Minutes』はよりパズルゲームチックだ。ゲームはダイニングキッチン、ベッドルーム、バスルームで構成されたアパートの中でのみ進行する。プレイヤーはアーロンを通してさまざまな行動を取ることが可能だ。包丁をあらかじめ所持しておき、警察官に縛り上げられた手首のロープを切る。睡眠薬入りの水を妻に飲ませて眠らせる。警察官が押し寄せる際にクローゼットの中に身を隠す。プレイヤーはさまざまなアイテムと環境を利用しつつ、真相へとたどり着くことができるルートを模索しなければならない。
開発はインディーデベロッパーLuis Antonio氏ただひとりで進められている。Antonio氏はポルトガル生まれで、Rockstar GamesやUbisoftでの開発経験もあるほか、Jonathan Blow氏の新作『The Witness』にも関わっていたという。環境およびキャラクターアーティスト、あるいはアートディレクターとして働いてきAntonio氏は、今回初めてプログラミングに挑戦する。6年ものあいだ夢見たプロジェクトを実現するため、勉強しながらゲームを開発する日々を過ごしている。
なお本作はPAX East 2015などでプレイアブルビルドが公開されており、Kinda Funny GamesやGiant Bombよりゲームプレイ映像も公開されている。12分間がどのように繰り返されるのか、気になるプレイヤーはチェックしてみるといいだろう。
現在『Twelve Minitues』はプロトタイプの状態であり、リリースは2016年夏を予定しているとのこと。対象プラットフォームはSteamを通じてPCおよびMac、またPS4/Xbox/Vitaなどコンソールでの発売も模索しているようだ。