横ではなく上へ上へ、広げるのではなく“積み上げて”ゆく異色の都市建設シミュレーション『Block’hood』

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第174回目は、『Block'hood』をピックアップする。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第174回目は、『Block’hood』をピックアップする。本作は広大な土地に都市圏を広げてゆくのではなく、天高く上へ上へとブロック単位で建物を積み上げてゆく異色の都市建設シミュレーションゲームだ。見る限りでは『SimCity』にビル経営ゲーム『The Tower』を組み合わせたような内容で、美麗なビジュアルも相まって海外メディアのあいだでは注目を集めつつある。

ブロックで循環する都市をデザインして

『Block’hood』にはさまざまな種類の「ブロック」が存在しており、プレイヤーはそれを上へ上へと積み上げてゆく形で都市を構築する。森林、農場、発電所、居住区に商店や学校など、ブロックの種類は全80種類以上。さらにここに各ブロックが産出、あるいは必要とする水や電力といった20種類以上の資源が加わる。

まずプレイヤーは、それぞれのブロックがどのような効果や影響を周囲に与えるのか理解しなければならない。たとえば森林は水があれば酸素を作りだす、商店は顧客が存在すればお金を生みだすといった効果がある。プレイヤーは人間や資源が都市全体を循環するよう、ブロックの配列をうまく考えてゆく。

『Block’hood』の特徴として、都市全体の循環に組み込まれずずっと放置されているブロックは、そのうち「劣化」して使い物にならくなる。1つのブロックの劣化を発端に、周囲のブロックは次々と劣化し、プレイヤーの作っているユートピアがディストピアになってしまう可能性もある。プレイヤーは時にこういった「劣化」したブロックを取り除き、都市全体を資源がうまく循環するようにデザインしなければならない。

開発を担当しているのは2人のインディーデベロッパーで、ゲームデザインをJose Sanchez氏、ブロックのデザインをGentaro Makinoda氏が担当している。『Block’hood』は2015年後半にもPC/Mac/Linux向けにリリース予定だ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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