『Layers of Fear』ふと目をそらすと“なにか”が変わる、狂気に囚われた画家の心を覗くホラーアドベンチャーゲーム

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第173回目は、『Layers of Fear』をピックアップする。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第173回目は、『Layers of Fear』をピックアップする。

夜の音楽室に飾られた作曲家たちの絵、ふと振り返ると、1人がこちらに視線を向けていた……というお決まりの怪談話がある。『Layers of Fear』は、そんなふと目を向けた瞬間に起きる”変化”をテーマにしたホラーアドベンチャーゲームだ。今月始めにティーザートレイラーが公開され、27日には発売を迎えるという本作の情報はかなり少ないが、なかなか興味深い作品となりそうである。

ストーリーに関しても情報は非常に少ない。『Layers of Fear』にてプレイヤーは、名画が並べられた屋敷のなかを探索する。狂気に囚われた画家の心を覗き込み、彼がなぜ狂ったのかを調べるという。ゲーム中には過去数世紀にわたる名画が登場し、屋敷の建築様式や装飾品は19世紀のものだそうだが、ゲームの時代設定や舞台背景などは明らかにされていない。ともかく主人公は自身に絡みつく不安や恐怖の階層(レイヤー)を1層ずつ解き明かしていき、画家が長期間にわたり製作してきた名画を完成させることになる。

本作を象徴するメカニックとして、プレイヤーが視点を動かし転換するたびに、屋敷の様相は変化するという仕様が存在する。トレイラーでは後方へ移動するにつれ、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵「白貂を抱く貴婦人」が、徐々にネズミを持つ骸骨の絵へと変化してゆく様子が確認できる。

開発を担当するBloober Teamは、ホラーゲームの開発に特化したインディーデベロッパーだ。過去にはアクションパーティーゲームの『BRAWL』や、一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム『Scopophobia』などを手がけている。

『Layers of Fear』はPC向けに8月27日リリース予定だ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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