浮島を“鳥になれる少女”が冒険する『AER』終焉を迎える世界を 「ローポリ」で描くオープンワールド探索アドベンチャーゲーム


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第172回目は、『AER』をピックアップする。本作は鳥になれる少女が空中に浮かぶ島々を冒険してゆくオープンワールド探索アドベンチャーゲームだ。海外では“Exprolation Game”と呼ばれ最近人気のジャンルだが、本作ではローポリゴンのグラフィックや、鳥となって空中を飛ぶゲームプレイなどが、ほかの作品にはない特徴となっている。

終わりを迎えつつある世界、神々への挑戦

『AER』の舞台となるのは、雲に囲まれた空の世界だ。プレイヤーは鳥へと変身することができる少女となり、散り散りになった浮島を探索してゆくことになる。詳細な物語はまだ明らかにされていないが、残念ながら『AER』の世界は文明がすでに滅んでおり、終焉を迎えつつあるという。プレイヤーは浮島での冒険を通じて隠された秘密にたどり着き、古代の神々に立ち向かってこの世界を守らなければならない。

『AER』の世界はオープンワールドとなっており、プレイヤーは鳥へと変形しながら、自由に浮島を探索することができる。浮島には精霊動物や古代のガーディアンが潜む寺院などが存在しており、探索で少しずつNPCやロケーションを発見し、情報を集めて物語を進めてゆくというのが基本的なゲームプレイとなる。またトレイラーには登場していないが、ゲーム中には文明が健在していたころの霊的な存在を照らすことができる「ランタン」も存在しており、これを利用して暗闇を照らしたり装置を起動するといったアクションも用意されている。

『AER』は2013年から開発が進められているタイトルだ。開発を担当しているのはスウェーデンのインディーデベロッパーForgotten Key。ブレーキンゲの大学の学生4人によって2011年に設立されたスタジオであり、プレイヤーを独自の雰囲気がある体験へと導くためさまざまな作品を開発してきたという。『AER』は彼らにとって初となる大型プロジェクトで、やはりプレイヤーを素晴らしい雰囲気の世界へと没入させることがコンセプトとなっている。

『AER』は2016年にリリース予定、対象プラットフォームはPC/Mac/Linuxに加えPS4/Xbox Oneだ。2013年から開発が長らく続けられてきたが、2014年後半に入ってからは各所でプレイアブルデモが公開されており、開発は順調に進んでいるようである。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。