パズルアクション『Kill the Plumber』マリオ風の配管工を“倒す側”、敵を操作して主人公を倒せ

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第166回目は、『Kill the Plumber』をピックアップする。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第166回目は、『Kill the Plumber』をピックアップする。見てわかるとおり、本作は『スーパーマリオブラザーズ』をパロディしたパズルアクションタイトルである。しかしプレイヤーは配管工を操作してステージクリアを目指すのではなく、クリボーやドッスンのような敵キャラクター側を操作し、配管工のステージクリアを阻止することを目指す。

敵となって配管工を倒すパズルアクション

9月に発売予定の『スーパーマリオメーカー』ではプレイヤーがステージをデザインすることができるが、『Kill the Plumber』は敵キャラクターをプレイヤー自身が実際に操作してプレイするタイトルだ。配管工がゴールの旗へと到着する前に倒すか、あるいは時間切れとなって配管工が死ぬまで操作キャラクターが生き延びれば、ステージクリアとなる。1つのステージは非常に短く、ステージ全体を操作してマリオを倒すというよりは、いかにすればマリオを倒せるかを次々と考える『メイド イン ワリオ』のようなパズルアクションに近い。

『Kill the Plumber』は今年春にもFlash版が無料公開されており、最初の数ステージをプレイすることができる。面白いのは、馴染み深い『スーパーマリオブラザーズ』のアクションの数々が、すべて逆転しているという点だ。マリオ風の配管工はAI操作にて動いており、ジャンプして操作キャラクターを踏みつけてきたり、ファイアボールで倒そうとしたり、一時停止して攻撃を避けようとしたりさえする。プレイヤー側は一芸しかない敵キャラクターをなんとか駆使し、配管工を倒す方程式を導き出さなければならない。『スーパーマリオブラザーズ』の操作する側を逆転させただけだが、子どものころから見知ったメカニックやアクションが逆転しているからこそ、新鮮な気分を味わうことができる。

開発を担当するTekiTownは3人のメンバーで構成された小さなインディーデベロッパーだ。IZZY氏は5年のゲーム開発経験があり、グラフィックアーティストとして活動している。KEYBOL氏はフィリピン出身の人物で、『Pretentious Game』などの作品やFlashゲームを制作してきた。ZACH氏はミュージシャンかつSFXの制作者である。

なお現在『Kill the Plumber』はSteam Greenlightに登録されており、2015年末にはPC版がリリース予定であるという。正式版には草原が水面ステージなど全100ステージが収録。30種類のプレイアブルキャラクター、スピードランのハイスコア機能、ローカルマルチプレイヤーなどが実装される。すでにiOSとAndorido向けにも配信されているが、AppleのApp Storeでは過度のパロディが問題とされており販売が停止されている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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