『Triple X Tycoon』ゴブリンと人間が混在する世界でポルノ王を目指す、アダルト業界起業シミュレーション

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第159回目は、『Triple X Tycoon』をピックアップする。タイトルを見てピンと来た男性諸君もいるかもしれないが、本作はアダルト産業の企業を運営するシミュレーションゲームだ。アダルト産業が舞台ではあるものの、一般的な成年向けアダルトゲームのような内容ではない。プレイヤーは真面目に経営者としてアダルト企業を運営し、ポルノ界の王を目指さなければならない。

ゴブリンと手を取りポルノ王に

『Triple X Tycoon』の舞台となるのは、現在の世界と同じくポルノが一般的にはタブー視されており、そしてなぜか人間と“ゴブリン”が共に暮らしているという謎の世界だ。開発者いわく、ゴブリンは「ゲームだから」という理由で投入されたのだという。ともかく、プレイヤーは新たなポルノスタジオを設立し、アダルト産業が黄金期を迎えた1970年代から、新時代を迎えた2000年代までを生き延びなければならない。時代の移り変わりのなかで、消費者たちの志向は大きく変化し、VHSからDVDへの推移なども描かれるのだという。

ゲームは「Products」、「Studio」、「Talent」の3種類のメニューを中心に進んでゆく。主力製品はアダルト映像だ。採用したタレントから配役を決め、アップグレードしたスタジオで撮影し、それを製品として販売する。撮影した作品には評価がつけられ、出来がよければアワードショウにてなんらかのアワードを受賞することもある。ゲーム中には妊娠や性病の感染、犯罪行為などのさまざまなランダムイベントが展開されてゆく。

なおゲーム中は、いわゆる大人の玩具や潤滑油、雑誌やQ2ダイアル(1-900)、カレンダーなど、アダルト映像以外の製品も販売できるようだ。またLGBTにフレンドリーな描写を盛り込むことも検討されている。

現在は開発し始めて数か月ほどの初期ビルドのゲームプレイ映像が公開されているが、まだ完成には程遠いようだ。

開発を担当しているJoy-Toiletは、アダルト系ニュースを配信するメルマガを展開しているWebサイトだ。過去には『First Paradise』というかなり渋いSFローグライクゲームをリリースしていたのだが、今回は本来のサイト寄りの作品を手がけるつもりのようだ。なお現在はIndiegogoにて1000ドルの獲得を目指すクラウドファンディングを実施しており、『Triple X Tycoon』に欠けている豪華なUIやアートを盛り込むことを目指している。同ページではいくつか撮影シーンのビジュアルも公開されているので、気になるユーザーはチェックしてみよう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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