発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第154回目は、『Tower Unite』を紹介する。本作は巨大タワーやレジャー複合施設を舞台にしたバーチャルワールドパーティーゲームだ。プレイヤーはタワーに住む一人の住人となり、ほかの住民であるプレイヤーたちと交流したり、さまざまなパーティーゲームを遊んだりすることができる。
「GMod Tower」の後継作
わかりやすく説明するならば、『Tower Unite』は巨大なタワーを舞台とした『Second Life』や「PS Home」のようなタイトルだ。ゲーム中にはカジノやボーリング、ビリヤードなどさまざまなパーティーゲームが存在し、プレイヤーはほかのプレイヤーと最大18人で各種アクティビティをプレイできる。それだけではなく、YouTube経由で映像を一緒に見たり、クラブに入って同じ音楽に聞き入ったり、衣装を変更して着せ替えを楽しむこともできる。各プレイヤーにはそれぞれ部屋が与えられ、自由にカスタマイズすることが可能だ。
ゲームの紹介を聞いてピンときた方もいるかもしれないが、本作は「Garry’s Mod」にて開発されたオンラインマルチプレイヤー作品「GMod Tower」の後継作として制作されているタイトルである。開発は「GMod Tower」のクリエイターの一人であるMacklin Guy氏と、彼を中心として結成されたチーム「PixelTail」によって進められている。ゲームエンジンはSourceではなくUnreal Engine 4が新たに採用されており、SteamWorkshopを通じたカスタムアイテムの共有も実現される予定だ。
『Tower Unite』の特徴の一つが移動アクションの幅広さだ。この手のゲームでは基本的に歩行とちょっとしたジャンプしかできないものだが、本作ではジェットパックや羽で空中を飛んだり、ローラーブレードで走り回ったりすることができるという。ほかにもPixelTailは「『Tower Unite』はただの歩行シミュレーターではありません。走ったり、ジャンプしたり、かがんだり、ジェットパックを使ったり、酒を飲んだり、踊ったり、座ったり、立ったり、投げたり、浮き輪の上にくつろいだり、ハイタッチしたりと、いろいろとできます」と説明する。
またすでに「15ドルの買い切りタイトル」となることが明らかにされており、アップデートによる拡張やコンテンツは無料で配信されてゆくのだという。衣装やアクティビティ、あるいは家具などを有料販売するモデルも考えられるところだが、開発陣はマイクロトランザクションやサブスクリプション、特別なインゲーム通貨などは導入しないと胸を張って発表している。
『Tower Unite』は2016年中期にリリース予定だ。今年4月に実施したKickstarterキャンペーンは失敗となったが、現在はIndiegogoにて新たなクラウドファンディングを実施中。またSteam Greenlight上でも公開されており、Steamでの配信を目指している。