発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第149回目は、『.Age(ドットエイジ)』を紹介する。本作はターンベースの村運営ストラテジーゲームだ。プレイヤーは小さな村の村長となり、ちょっと役立たずな村人たちを指揮して、暗黒時代を生き延びなければならない。3年のあいだ、村が無事であればゲームクリアとなり、それまでに村が滅亡したらゲームオーバーだ。
村運営型の『FTL』
プレイヤーは横6マス、縦6マスのフィールドに家屋や施設を建設し、村人や資源をやり繰りしながら3年間を無事に過ごすことを目指す。家屋には村人が住み、その村人が各施設で働くことによって資源が生み出される。そしてその資源を消費して新たな施設を建設するというのが、『.Age』の基本的な流れだ。ゲームはターンベースで進み、住民に必要な食料の数、施設の建設に必要な資源の数などもキッチリ決められているため、よくあるシティビルダーなどと比較すると『.Age』はよりストラテジックだ。開発を手がけるCuriosity Killed the Catは、本作に影響を与えたタイトルとして『アグリコラ』を挙げており、ボードゲーム好きのプレイヤーはそちらから想像するのがわかりやすいだろう。
Curiosity Killed the Catがほかに影響を受けたタイトルとしてあげているのが、宇宙で不運に見舞われつつも戦うSFシミュレーション『FTL: Faster Than Light』である。あるいはハードモードの『Vanished』、天災が次々とやってくる『SimCity』と言い換えてもいいだろう。『.Age』では150種類以上のランダムイベントが発生し、プレイヤーの村運営を苦しめることになる。時には火災が発生して施設が次々と崩壊し、台風が発生して村人はへき地へと吹き飛ばされる。プレイヤーはこういった想定外の苦難に耐えつつ、めげずに村のライフサイクルを維持しなければならない。
ただ特に大規模なランダムイベントは、ゲーム内で「バランス」と銘打たれたメーターの影響によって発生するため、これらを一部の特殊な施設で調節することで防ぐこともできる。これらのメーターは世界のバランスを示すもので、「気温」「平穏」「健康」「変動」の4種類が存在する。たとえばフィールド上にたき火を建設し、木材を消費して温めれば、気温は上昇する。また各種イベントは名前が伏せられた状態で発生する日が告知されるため、それに備えて村の備蓄を貯めておくといった対策も取ることができる。
グラフィックはややチープに見えるかもしれないが、研究ビーカーを蓄積して新たな施設をアンロックしたりといった技術ツリー的な要素もあり、やりがいのあるストラテジーゲームに仕上がりそうな予感を抱かせてくれる。製品版では暗黒時代の終わりに最終ボスが登場する、神々に祈りを捧げて天災を避ける、村人を探索におくりだすなどの要素も盛り込む予定だという。
『.Age』は現在Steam Greenlightに登録されており、Steamでの配信を目指している。Windows/Mac/Linux向けのほか、ブラウザ上でプレイできるデモが公開されているので、気になったプレイヤーは触ってみよう。