発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第137回目は、『Doko Roko』を紹介する。公式サイトにて素敵なgifイメージが公開されている『Doko Roko』は、ローグライクの“垂直”2Dアクションゲームだ。サイト上ではまだ情報がほとんど公開されていないが、今回AUTOMATONでは開発を担当しているOkobuGamesのEric Smack氏にゲームの詳細についてお聞きした。
天国まで続く塔を突き進む追放者
『Doko Roko』は、天国まで届くような高い“塔”を舞台とした2Dアクションゲームだ。プレイヤーはこの起源もわからぬ塔に追放されし者となり、デーモンや魔法使い、動く石像や不死の者「The Unslain」などと戦いを繰り広げる。友好的な者たちの助けを借りつつ、誰がなんのために塔を立てたのか、そしてなぜ自分は塔に追放されたのか、いにしえから伝わる秘密や不思議な謎を解き明かさなければならない。詳細なストーリーについて聞こうとすると、Smack氏は「いまのところはストーリーの詳細に関してはあまり話さないようにしているんだ」と口をつむぐ。
ゲームプレイに目を向けると、本作はローグライク要素を備えたサイドスクロール式の2Dアクションゲームだ。信じられないほど高い塔が舞台のため、プレイヤーは上へ上へと突き進んでゆくことになる。戦闘シーンのコア部分には、“テンポの早い戦闘”、“知恵で敵に勝つ”、“致命的なシチュエーションから逃れるため一瞬で作戦を考案する”という3本の柱が用意されている。
Smack氏は「戦闘はかなりカオスな感じだ、あらゆる角度から発射物が飛んできて、それを避けながら誰から倒すかを素早く考えなくちゃならない。最初の決断に時間をかけるほど戦闘が難しくなっていくよう設定しているので、かなりいい感じになっていると思う」と説明する。「攻撃を回避してばかりだともたなくなる、倒される前に敵を次々に倒さなければならない」。またゲーム中では完全に壁や床が破壊できるという環境があり、これを利用して敵の攻撃を避けたり、塔の外に一時的に出たりという戦術を取ることができるという。
そういった激しい戦いの合間合間に、ふと静かな時間が訪れるのも『Doko Roko』の隠れた魅力である。死闘を繰り広げた後に別のエリアへと移動する際には、「静かで思慮深く過去を振り返るような瞬間」がある。「いつもアクションばかりのゲームではないんだ(笑)」とSmack氏は説明する。
ローグライクらしく、ゲーム中には多数のマジックアイテムやソードが存在している。主人公はソードやスペルといったプライマリーアイテムと、ステータスをアップさせるサイドアイテムを装備することができる。『Doko Roko』の特徴的な要素として、一部のアイテムを装備すると悪魔やあの世の者たちに憑依され、自身のフォームと能力が変形するというシステムが存在する。この変形が本作のキー要素の1つとなるようで、「このフォームでなければクリアできない」ような場面も登場するそうだ。
なお『Doko Roko』の塔はプレイを重ねる度に変化するが、その塔や世界がプレイヤーの行動やプレイスタイル、選択肢などによって変化する”レガシーシステム”のような機能が存在するそうだ。何度かプレイを繰り返すと、新しい敵やエリア、アイテムなどが出現し、物語も登場する。プレイヤーに背後に隠れた物語を感じさせてゆく手法が取られるという。
最初に触れたが、美麗なアートワークやアニメーションも本作の魅力だろう。Smack氏は日本のカルチャーの愛好家であり、アニメ作品では「フリクリ」や「カウボーイビバップ」、「新世紀エヴァンゲリオン」などが大好きだという。スタジオ・ジブリの信奉者でもあり、「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」を特に好む。「日本からでてくるアニメがあまりにも多くて信じられない時があるよ。ものすごいインスピレーションを得ている。もっとも好きなゲームは『塊魂』に『Dark Souls』、『ワンダと巨像』だ。あと”ゲスの極み乙女。“ってバンドにハマっている」。Twitter上では、『Doko Roko』のgifイメージが日々公開されている。
『Doko Roko』の発売日は未定だが、2015年10月にはKickstarterを始動する予定であるとのこと。現在プラットフォームはPC/Macが決定しており、コンソールでのリリースも目指している。