発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第136回目は、『10 Minute Barbarian』を紹介する。
10分で軍隊を集めて世界を救え
『10 Minute Barbarian』は、最大で数百体のユニットがひとつの戦場であいまみえるステージクリア型の戦争シミュレーションゲームだ。戦争SLGと聞くと、『Total War』や『大戦略』などの小難しそうなシリーズを思い浮かべるかもしれないが、本作はマウス片手でゆうゆうと遊べるほど、とてもシンプルなストラテジータイトルである。1ステージのプレイ時間もおよそ10分程度で終わる。
各ステージには、世界の破滅である「アポカリプス」を迎えるまでのターン数が設定されている。プレイヤーの目的は、アポカリプスと共に出現する強大な悪の軍勢に打ち勝つことで、それまでにこちらの軍勢を整えなければならない。
まず戦略マップ上では、指揮官であるバーバリアンを動かして、村や城から兵士を徴収する。ある程度の軍勢が集まったら、敵が支配している村や城を攻撃して、占拠範囲を増やしてゆく。ステージ毎に定められたターン数が経過すると、前述した悪の軍勢が出現するため、プレイヤー側がそれを倒すことができればクリアとなる。
村や城を占拠している敵の部隊はこちらが攻撃を仕掛けてこない限り攻めてこないので、このゲームの基本的な戦略思考は「この部隊と戦ったら勝てるかどうか」だけである。なら無闇にこちらから手を出さず、常に兵力をためてから万全の体勢で戦えばいいのではと思うかもしれない。しかしアポカリプスと共に出現する悪の軍勢は、一定ターン数ごとにプレイヤー側の村や城を焼き払ってしまうため、ある程度のスピード感を持って村や城を占拠しなければならない。兵士の供給源が絶たれるとジリ貧になり、最終的には詰みの状態を迎えてしまう。
なお部隊同士が戦う戦場シーンでは、基本的にプレイヤー側が部隊を指揮する必要はなく、兵士たちは自動的に戦ってくれる。ただし、騎乗ユニットは進行方向を戦闘が始まる前に指定できるほか、特殊ユニットであるドラゴンが放つ火弾の着地地点はプレイヤーが決定する必要がある。
『10 Minute Barbarian』は現在ブラウザ上で動作するデモが公開されている。最初に述べたように、本作はシンプルなストラテジータイトルであり、その手のゲームの経験者ならデモでプレイできる3ステージは簡単にクリアしてしまうだろう。とはいえ、最大で数百体のユニットがワラワラと戦う兵士たちの姿は見ているだけで面白く、言い方は悪いかもしれないが簡易版『Total War』のような風情を感じさせてくれる。
『10 Minute Barbarian』は2015年の夏にリリース予定。現在はSteam Greenlightに登録されており、Steamでの配信を目指している。製品版では全9ステージが搭載される予定とのことで、さらに歯ごたえのある難易度を期待したい。