発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。ついに始まったE3 2015。あなたは大作ゲームの情報ばかりを見て、素晴らしい作品たちが登場しているのを見逃してはいないだろうか。今週はコーナー名を一時的に「E3 Indie Pick(2015)」に変更し、E3 2015にてスポットライトが当てられたインディーゲームたちを紹介してゆこう。
第2回目は、SCEのプレスカンファレンスにてDevolver Digitalのパブリッシング作品の1つとして紹介された『Eitr』をピックアップする。
運命を変えられた“盾の乙女”
『Eitr』の世界観は「北欧神話」がベースとなっている。タイトルにもある「Eitr」とは、神話に登場する“漆黒の毒薬”のことであり、この毒薬に触れた者は何者であろうとも堕落してしまうという。現在『Eitr』のワールドでは、世界樹「ユグドラシル」を中心に連なる9つの世界が、すべて「Eitr」によって毒されている状況だ。
プレイヤーの分身となるのは、「盾の乙女(Shield Maiden)」と呼ばれる女性である。盾の乙女は、生まれる前に運命の女神のひとりノルンによってその宿命を定められていた。だが、悪戯の神ロキにより、まだ編んでいなかった運命の設計図にEitrを垂らされてしまう。彼女の運命は本来のものから外れ、また同時に世界樹「ユグドラシル」の光も弱まってしまった。プレイヤーは盾の乙女を通じて、ユグドラシルに光を取り戻し、闇に落ちつつある9つの世界を命運を見届けなければならない。
『DARK SOULS』と『Diablo』から影響
『Eitr』のジャンルはアクションRPGだ。『DARK SOULS』や『ゴールデンアックス』、『Diablo』などにインスピレーションを受けており、タイミングや精確さが求められる難易度の高いゲームプレイがフィーチャーされている。盾によるブロックと剣による攻撃のコンボが基本的な要素となり、Buff(能力強化)や位置取りなどが戦闘での勝利へと繋がる。
2014年10月に公開されたゲームプレイ映像では、雑魚敵にもかなり苦戦する様子が確認できる。一見すると確かに『Diablo II』だが、その戦闘システムは『DARK SOULS』のように複雑かつチャレンジングなものとなりそうだ。
開発を担当するのは、英国ロンドンに位置するインディーデベロッパー「Eneme Entertainment」。David Wright氏、Tobi Harper氏の2人によって結成されたスタジオである。現在、『Eitr』の開発は1年を超えたばかりであり、今後どこまで完成度が高まるのか注目したい。本作は2016年にPC/PS4向けにリリース予定。