『Mother Russia Bleeds』麻薬中毒者による復讐劇、「Hotline Miami」の系譜を継ぐ横スクベルトアクション

第1回E3 Indie Pick(2015)では、SCEのプレスカンファレンスにて紹介され、そのバイオレンスなビジュアルが強烈なインパクトを与えた『Mother Russia Bleeds』をピックアップする。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。ついに始まったE3 2015。あなたは大作ゲームの情報ばかりを見て、素晴らしい作品たちが登場しているのを見逃してはいないだろうか。今週はコーナー名を一時的に「E3 Indie Pick(2015)」に変更し、E3 2015にてスポットライトが当てられたインディーゲームたちを紹介してゆこう。

第1回目は、SCEのプレスカンファレンスにて紹介され、そのバイオレンスなビジュアルが強烈なインパクトを与えた『Mother Russia Bleeds』をピックアップする。

麻薬中毒者たちの復讐劇

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麻薬中毒者vsソ連のロクデナシ

『Mother Russia Bleeds』の舞台となるのは、架空の歴史を辿った1980年代のソビエト社会主義共和国連邦(U.S.S.R)だ。プレイヤーが操作するのは、ソ連の刑務所に投獄された重度の麻薬中毒者。刑務所から脱獄し、憎しみに満ちた復讐を果たすため、残虐な旅路を突き進むことになる。

ゲームプレイは『ベア・ナックル(Street of Rage)』と『Hotline Miami』を掛けあわせたような内容であり、開発陣も両作から影響を受けたことを認めている。『ベア・ナックル』のクラシカルな横スクロールベルトアクションに、『Hotline Miami』の過剰なバイオレンス表現を加えたスタイルだ。特に武器を使用した多種多様な攻撃や、敵を執拗なまでに殴り倒す処刑アクション、動物のマスクを被ったキャラクターにサイコロジカルな演出などは、後者の影響を色濃く感じさせるところだろう。BGMも『Hotline Miami』と同様に最高だ。

なお『Hotline Miami』と異なる要素として、最大4人のCo-opプレイに対応しており、複数のプレイアブルキャラクターが登場することが明らかにされている。このほか詳細は伏せられているが、“敵の血液を注射器で吸い出して自分に打つ”というアクションが過去のプリアルファ版の映像では確認されており、これが同作における体力回復のシステムとなる模様だ。

開発を担うのはフランスのインディーデベロッパー「Le Cartel」。2013年9月に設立された新規スタジオで、コアメンバー4人によって運営されている。

『Mother Russia Bleeds』は2016年にPC/PS4向けにリリース予定。パブリッシャーは奇しくも『Hotline Miami』の販売を担当しているDevolver Digitalだ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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