『Neptune Flux』人類の未来を守るため“働け”、ブラック企業の社員が海底探索し真実を追うアドベンチャーゲーム

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第123回目は、『Neptune Flux』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第123回目は、『Neptune Flux』を紹介する。

人類の未来を守るため“働け”

indie-pick-123-neptune-flux-003  『Neptune Flux』は、ディストピアな未来を辿ったifの地球を描く海洋探索アドベンチャーゲームだ。ある日、『Neptune Flux』の地球では大洪水が発生し、地表の大部分は海面の下に沈んでしまった。残された人類には宇宙へと逃げるほどの技術はまだなく、かわりに彼らはまだ見ぬ海底を調査し、生き残る道を探っている。本作に登場する「A.Q.U.A.」は、海底で人類が住めるようにするコロニー化の準備と、資源回収の役割を担う複合企業だ。

複合企業「A.Q.U.A」には、政治界の黒幕や地球の未来に絶望した金持ちたち、あるいは影の政府から、「海底には輝かしい未来が待っていますよ」と過剰宣伝し資金を集めた背景がある。そのため同社の動向には彼らの熱い視線が集まっており、必然的に社員たちは上からこき使われ、成果を出すよう強いられている。

「A.Q.U.A.で働くことは暗闇の中にいることを意味する、文字通りの意味でもあるし、比喩の意味でもある」――Zoxide Games

残念ながらプレイヤーの化身となるのは、この「A.Q.U.A」の女性従業員「Sarah(サラ)」だ。入社以降、サラは任務を疑問に思うことを辞めるようになっていたが、彼女の業務は徐々に通常の範疇から外れていく。プレイヤーは深海を探索して、海底に隠されているという真実へとたどり着かなければならない。

働いてお金をもらって機材を買って

開発陣いわく、『Neptune Flux』は現代に蘇ったクラシカルなポイント&クリックアドベンチャーのような作品となるそうだ。オープンワールドの海底が舞台となり、サラは潜水ポッドに搭乗して調査にのぞむ。サラはA.Q.U.A.社の本拠地から与えられた任務をこなして報酬を得るだけでなく、自由に海底を探索して水没した船や古代の遺跡などを調べることもできる。海底に沈んでいた宝物を見つけることでも報酬としてお金を得ることができる。

手に入れたお金はなにに使えるのだろうか。プレイヤーはA.Q.U.A.社にお金を払うことで、潜水ポッドをアップグレードすることができるという。潜水ポッドには暗闇の海底を照らすライトやフレアなどが標準搭載されているが、さらにA.Q.U.A.にお金を払えばビジュアルソナーなどを積むことが可能だ。

『Neptune Flux』は、わずか3人のコアメンバーが所属するインディーデベロッパーZoxide Gamesが開発を進めている。発売時期は2016年11月を予定。現在はKickstarterで8000ドルの資金獲得を目指すクラウドファンディングを実施中、またSteam Greenlightにも登録されている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728