世界を生き長らえさせ“生態系の滅亡”を防ぐ箱庭型サバイバルゲーム『Eco』

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第117回目は『Eco – Global Survival Game』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第117回目は『Eco – Global Survival Game』を紹介する。

生態系を壊さずに世界を生かす

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世界と共存して美しい文明を築き上げる。イースター島の二の舞いを起こしてはならない

『Eco』は複数のプレイヤーと協力してプレイする箱庭型のサバイバルゲームだ。プレイヤーはサーバー上に設置されたワールドに降り立ち、農業や狩猟、鉱業や建物の建築などを通じて、文明を築き上げてゆく。ワールドには数十種類の種(しゅ)と数千個もの植物や動物たちが存在しており、独自の生態系を築いている。

一見すると『Minecraft』をちょっとリアルにしたただのクローン作品に思えるかもしれないが、『Eco』はより「生態系への関与」に重きを置いているのが特徴だ。まずワールド内に存在する植物や動物、資源は“有限”であり、さらにそれぞれが生態系の中で上下関係を持っている。プレイヤーは木を伐採するにしても、動物を狩って食べるにしても、あるいは鉱物を掘り起こすにしても、それがワールドになんらかの影響を与えることを意識しなければならない。植林せず木を切りすぎれば当然のごとく木材は枯渇し、特定の動物を狩りすぎればその種は絶滅してしまい、鉱業で水が汚染されれば作物に毒物が付与されてしまう。

『Eco』にてプレイヤーたちが遊ぶワールドはサーバー上に存在しており、24時間にわたってシミュレートが繰り広げられている。プレイしていない間もほかのプレイヤーたちが文明を築き上げており、また生態系においても植物は成長し、動物はほかの動物を狩り、繁殖して個体を増やしてゆく。プレイヤーたちの介入が傍若無人なものであれば、この生態系は破壊されてしまい、最悪の場合は再生が不可能な“完全に死んだワールド”がサーバー上に出来上がってしまう。サバイバルゲームではあるが、プレイヤーだけでなく、生態系を持つその世界も共に生き延びねばならないというわけだ。

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文明が成長すれば、近代的な乗り物なども登場する模様

世界の法律をプレイヤーたちで定める

このほか『Eco』には、複数のプレイヤーたちが投票によって「法律」を決めるという独自のシステムがある。ワールド内の各種族の統計情報はグラフなどで確認することが可能で、たとえば「鹿が狩られすぎており個体数が激減している」といったことがすぐにわかる。そこでプレイヤーたちは、「動物を狩るなら10日毎に2匹まで」といった法律を考案し、投票でそれを採択するかどうかを決定することができる。考えの異なる複数のプレイヤーたちがワールドにやって来ても、この法律によって生態系を統治する。

開発を担当するStarange Loop Gamesは、水理パズルアクション『Vessel』を手がけるなど、教育ゲームの開発を目指しているスタジオだ。本作『Eco』はスタジオ設立以来の大型プロジェクトとなる。『Eco』はまだ発表されたばかりということもあってか、対応プラットフォーム、発売時期ともに明らかにされていないが、現在はSteam Greenlightに登録されており、Steamでの配信を目指している。また近日中にもKickstarterで開発資金の獲得を目指すようだ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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