極寒地ポストアポカリプス・サバイバル『FrostFall』開発中。変異体が潜む、20世紀ロシアの汚染地域

極寒地ポストアポカリプス・サバイバル『FrostFall』開発中。『FrostFall』はポーランドのDRAGO Entertainmentが手がける一人称視点のサバイバルゲーム。文明崩壊後のロシアが舞台となる。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第646回は『FrostFall』を紹介する。

『FrostFall』はポーランドのゲームスタジオDRAGO Entertainmentが開発中の、一人称視点サバイバルアドベンチャーゲーム。文明が崩壊した20世紀ロシアが舞台となるポストアポカリプス作品だ。核ミサイルの発射指示を受けた主人公が数年の時を経て目を覚ますと、そこには亡くなった親友の姿があった。どうやら世界は崩壊したようだが、ミサイルを発射した張本人である主人公は生き長らえたようだ。そしてミサイル発射基地から出てみると、何者かから無線で連絡が入る。数少ない生存者たちが住まう、人類最後の拠点へ案内してくれるのだと。かくして、文明崩壊のボタンを押した主人公の生存劇が始まる。

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ロシアの地では、雪に覆われた冬の過酷な環境下でサバイバル生活を送ることになる。空腹、喉の渇き、疲労、体温、放射能汚染といったパラメーター管理。キャラクターが取った行動に応じたスキルレベルの上昇や、タレントや特性(Perk)といった成長要素を備えているほか、ダイナミックな天候システムや昼夜サイクルも特徴として挙げられている。降雪により徐々に雪が積もっていく様子や、気温の上昇による雪解けなどを再現することで、より没入感のあるサバイバル体験が目指されているのだ。汚染された大自然での狩り、釣り、調理、キャンプシステムも備えている。

本作はストーリー主導のサバイバルゲームとして作られているものの、広大な世界を入念に探索することで、物語のさらなる断片や、生存に役立つ物資が得られるようになっているという。ただ、探索するにあたっては天候や野生動物だけでなく、放射能汚染により変異したミュータントたちにも気をつけねばならない。時には銃器を手に取り立ち向かうことになるだろう。

なお放射能汚染は生態系全体に影響をおよぼしており、主人公自身も例外ではない。汚染は人体にとって危険ではあるが、変異により人間離れした能力を発揮できるようになるという利点もある。身体の支配権を奪われないよう、制御できるのであれば。こうした人体のゾンビ化を招く汚染にどう対処するのかが、重要となってくる。

また生き残る上では、物資調達とクラフトも大事。素材を集めてアイテムを作成・強化することで、生存確率を高めていくのだ。建築システムにより、自作の拠点を作る、もしくは既存の安全地帯を拠点化することもできる。寝床を設けたり、クラフト台を設置したり、防衛設備を並べたり。また道中で作りかけのボートを発見した場合は、不足した素材を揃えることで河川の上り下りが可能な移動型の拠点をこしらえることも。ただし修理・維持にも素材が必要となるため、一度建てたら安泰というわけでもない。

開発元のDRAGO Entertainmentは、『Food Truck Simulator』『Gas Station Simulator』といったシミュレーションゲームを複数開発中のスタジオ。毛色の異なる極寒地サバイバルは同スタジオにとっての挑戦作と言えるだろう。『FrostFall』は2020年、Windows/Mac向けに発売予定。Steamではストアページがオープン済みだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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