キツネになるファンタジーADV『This Dead Winter』開発中。子ギツネの行方を追って凍てついた古代の森を冒険

まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第643回は『This Dead Winter』を紹介する。インディー開発者のRob Potter氏が、キツネを主人公とするダークファンタジー・アドベンチャーゲーム『This Dead Winter』を開発中だ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第643回は『This Dead Winter』を紹介する。

インディー開発者のRob Potter氏が、キツネを主人公とするダークファンタジー・アドベンチャーゲーム『This Dead Winter』を開発中だ。現在、Kickstarterにて開発資金を募っている。

本作では、プレイヤーは一匹のアカギツネとなり古代の森を冒険する。主人公のキツネは、この世界に生き残った数少ない動物だという。終わらない冬の続く凍える懸谷にて身をひそめるように暮らしていたが、ある日子ギツネが行方不明になってしまい、その捜索のために失われた文明の遺跡を訪れ、森の中心へと向かう。

『This Dead Winter』のゲームプレイはメトロイドヴァニアから影響を受けているとのこと。新たなアビリティを獲得するごとに異なるエリアへと足を踏み入れ、またさまざまな障害を乗り越えたりパズルをこなすことになる。各アビリティは、この世界に暮らす住民から授かったり、遺跡を訪れることで得られるという。公開されたトレイラーから察するに、住民といっても人や動物ではない、何か神秘的な存在を指しているのかもしれない。

アビリティには、たとえば火をまとってダッシュする能力があり、これは序盤に入手可能。この能力を使うことで、特定の場所に火を灯したり、クリーチャーの身体を乗っ取ることができる。上の映像では、細い足場の上に置かれた篝籠に飛び込んで火を灯し、また別の足場の篝籠へと次々にジャンプして進んでいく様子が見られる。そのほかにも、ゴロゴロと転がるオブジェクトに乗り移っている場面もあり、特定のエリアを突破するための重要な能力となりそうだ。

この世界にはロボットのようなものが氷漬けになって放置されていることがあり、オレンジ色に光る背骨部分に向かって上述の火のダッシュをすると、そのロボットと一体化。凍っていたロボットを動かせるようになる。映像を見る限り、ロボットになって自由に動けるというよりも、その場にある障害物を排除したりスイッチを押すといった、キツネの姿のままではできないアクションが可能になるようだ。遺跡のパズルを攻略する際にも、この能力が関わってくるのだろう。

古代の森や失われた文明の遺跡を冒険する中では、さまざまなキャラクターとの出会いが待っている。主人公のキツネに対して親切にしてくれるものもいれば、そうでないものもいるという。映像では、光り輝く精霊のような存在を目にする場面も見られ、本作は不思議な世界観を持つ作品であることが分かる。また、凍てつく冬が舞台となるものの、ゲームを進める中では季節の移り変わりも表現されるとのこと。

*ストレッチゴールを達成できれば、協力プレイ要素が追加される。

本作は、開発者のRob Potter氏が大学時代に試作していたアイデアがもとになっているという。Potter氏は、テクニカルアーティストとしてゲーム業界に携わっており、空き時間に本作の開発をおこなっていたが、経験を積み自信を得たことで、フルタイムで取り組み作品として仕上げる決意したとのこと。公開された映像は3か月間ほど制作した成果だそうだが、美しい環境や神秘的な世界観、アビリティを駆使した各要素、そしてリアルかつ可愛いキツネの表現が目を引く。

『This Dead Winter』のKickstarterキャンペーンは、本稿執筆時点で残り16日。約400万円の初期目標金額に対して、約270万円ほどが集まっている状況だ。初期目標金額を突破した場合、約1891円以上の出資で本作を入手できる。対応プラットフォームはPCで、2020年10月発売予定。ストレッチゴールの達成状況によっては、ゲーム要素の拡張やNintendo Switchへの移植もおこなわれる。興味のある方はキャンペーンページをチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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