ミュージカル×パズルアドベンチャー『Starstruck』開発中。巨大な「手」と2人の子どもたちが絡み合う異色のストーリー

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第626回目は『Starstruck』を紹介する。

今回紹介する『Starstruck』は、小さなジオラマワールドで繰り広げられる、世界の運命を掛けたアドベンチャーゲームである。 2人の子どもたちが繰り広げるミュージックアドベンチャーと、文字通り巨大な手となって町を蹂躙するアクションパズルという、テイストの全く異なる2つのパートを組み合わせた異色のゲームだ。 開発を行うのは『MOTHER2(EarthBound)』コミュニティーに長年貢献してきたMax Ponoroff氏を中心とするインディー開発チームCreatedelic。 音楽はポストモダンRPG『YIIK: A Postmodern RPG』のディレクターであるAndrew Allansonが担当する。 残念ながら今のところ英語以外の言語対応は予定されていない。

『Starstruck』の主人公は、悩みを抱えた2人の少年少女EdwinとDawn。 ちっぽけな町のガレージで楽器を演奏して遊ぶ2人は次第にこの町、そしてこの惑星の未来の運命を掛けた物語に巻き込まれていくことになる。 音楽と混沌に満ちた冒険を通じて、彼らは世界を取り戻すことができるのだろうか。

プレイヤーは『Starstruck』の物語に対して、2つのゲームパートを通じて関わっていく。 1つ目はミュージカルナンバーを演奏する音楽ゲームパート。 EdwinとDawnを操作してさまざまなリズムアクションが楽しめる。 音楽をフィーチャーした作品とあって、ライブ感のあるインストと美しいヴォーカル入りのサウンドトラックにも注目だ。 ポストモダンRPG『YIIK: A Postmodern RPG』のディレクターとして注目を集めたAndrew Allansonによる書き下ろし音源が用意されているとのこと。 作り込まれたジオラマワールドを探検するアドベンチャー、謎解き要素もあり、クレイアニメ調のグラフィックで描かれた暖かみのある世界を堪能できる。

そして2つ目が、巨大な人間の手となって町に干渉する悪魔的パズルアクションパートである。 この巨大な手は、町に潜む悪魔を見つけて破壊したり、EdwinとDawnの道を拓く助けになったり、あるいはただ町のすべてを破壊したりするとのこと。 このパートにおける行動は子どもたちの物語と密接に関係しているそうで、本作の謎を解決するためにはこの3人(?)のストーリー(?)をうまく切り変えながら進むことが重要らしい。 しかし、そもそもこのデカくてナマモノくさい不気味な手は一体なんなのか? 少年少女のミュージカルアドベンチャーにこれがどうやって絡んでくるのか? そういった疑問について、詳細な情報は謎に包まれている。 ちなみにこの手はキャラメイクが可能で、大きさ、形状、肌色まで自由に作り込めるらしい。

本作の開発はMax Ponoroff氏を中心とするアメリカのインディースタジオCreatedelicが行う。 Max Ponoroff氏は長年『MOTHER2(EarthBound)』のファンコミュニティーに携わってきた人物。 IndieBoostのインタビューによれば、『Starstruck』も最初は『Mother2』の2Dファンゲームとして開発が始められ、紆余曲折を経て現在の「ミュージック」+「アクションパズル」な3Dゲームになったそうだ。 とはいえ、影響こそあれ本作のゲーム性は「EarthBound-like」なものではないという。 謎多き本作だが、現在も開発中とのことで公開時期も今のところ未定。 プラットフォームは今のところPCのみの予定となっているが、他のプラットフォームへの対応も考えているとのこと。