「林業」に焦点を当てたサンドボックス『WoodZone』開発中。起業家の木こりとして、世界の探索と木々の伐採に挑む
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第606回目は『WoodZone』を紹介する。
本作は、起業家の木こりとなり事業を発展させていくサンドボックスゲームだ。伐採した木々を輸出して資金を得るほか、ベルトコンベアやセンサーなどを利用して生産の自動化を図る。あるいは新たな種類の木を求めて世界を探索するなど、サバイバル系のゲームで見られるような要素も取り入れた作品に仕上がっている。
プレイヤーは、一人の木こりとしてキャリアをスタートすることになる。自分で会社を興す、あるいはどこかの会社に入って出世を目指すことも可能だ。マルチプレイにも対応しており、友人たちと共に会社を盛り立てていくこともできるという。とはいえ、林業に焦点を当てた本作。一筋縄ではいかない。
「林業」と切っても切り離せないのは、木材である。本作に登場する木々は種類に応じて見た目が異なるのはもちろん、生育場所や特徴も異なる。自動生成された世界には、砂漠やツンドラ、熱帯雨林など、さまざまな気候の場所が用意されており、それぞれの環境に応じた木々が生育している。つまり、特定の種類の木(あるいは、その種)を入手したければ、伐採だけでなく探索も重要となってくるわけだ。さらには、崩落した洞窟のような探検心を刺激するロケーションも用意されているという。
とはいえ世界は広大で、徒歩で挑むのは厳しい。そんな時は乗り物の出番だ。本作では、陸海空すべてのタイプの車両が用意されているため、それらを購入できれば探索の幅が広がることだろう。ただし、車両ごとに寸法や積載量、燃料タンクが異なる点には注意したい。せっかく大型トラックを購入したのに、道幅が狭すぎて走行不能だった……という悲しい事態も起こり得るためだ。
見事、お目当ての木々を手にいれたなら、加工の時間だ。まずは製材所を建てて、木材の加工に挑むことになるだろう。なお、オブジェクトは自由に構築可能なため、工場や住居といった施設を建てることもできる。施設内にはコンベアやセンサーのほか、ケーブルの配線や、論理回路の設置なども可能となっている。そのため、生産の自動化はもちろん、たとえば施設に入った時に、木材の置き場所がない、あるいは加工のための原材料が尽きた場合にランプを点灯させるといった仕組みを作り出すこともできるようだ。プレイヤーの想像力が生きる場面である。
加工が完了したなら、次にやるべきことは輸出である。木材の価格は、木材の種類、サイズ、品質、加工レベル、そして生産技術などの要素によって左右される。もちろん需要と供給のバランスも重要だ。貴重な木材を必要とする場所へと輸出して、多くの資金を得よう。ただし、木材の種類ごとに輸送方法や加工方法に影響を及ぼす特性が存在する。たとえば湿気に弱い木ならば、船便は避けるべきだろう。他にも空輸や陸路といった輸送手段が用意されているようだ。これらは利益に直結する部分でもあるため、十分に頭を悩まそう。
会社の規模が大きくなってくると、一人で事業を回すことに限界を憶えることだろう。そんなときは従業員を雇おう。木こりはもちろん、運転手や大工など多くの職業が用意されているため、会社の運営に大きく貢献してくれるはずだ。こうして会社の収益を増やし、多くの従業員を雇用。事業を拡大していくことが目的となる。キャリアを極めて、林業の頂点を目指そう。
開発を手がけるのは、ドイツのニュルンベルクに拠点を構えるインディースタジオDeSand Studio。8人のスタッフで構成される、若さと野心にあふれたスタジオであるという。本作は同スタジオの処女作であるようだ。また、パブリッシャーには数多くのシミュレーターゲームの販売を担当するPlayWayの名前も確認できる。
『WoodZone』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、リリース日は未定となっている。