第一次世界大戦を舞台とした戦車シミュレーションゲーム『Armored Battle Crew』開発中。乗員を指揮し、鋼の獣で戦場を駆ける

今回のIndie Pickで紹介するのは『Armored Battle Crew』。『Armored Battle Crew』は、戦車とその乗員の管理に焦点を当てたシミュレーションゲームだ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第603回目は『Armored Battle Crew』を紹介する。

『Armored Battle Crew』は、戦車とその乗員の管理に焦点を当てたシミュレーションゲームだ。プレイヤーは戦車の指揮官となり、第一次世界大戦を戦い抜くことになる。立ち向かうべき敵を知り、武装をカスタマイズ。エンジンの故障や、車内の火災に乗員を向かわせて対処する。そうして戦場を駆け巡り、次々と課せられるミッションをこなしていくことが目的となる。

戦争をテーマとし、乗り物や乗員の管理がメインというと、先ごろ日本語化された爆撃機シミュレーションゲーム『Bomber Crew』を思い起こす方も多いかもしれない。本作も基本的にはそちらに近い内容である。すなわち出撃前にガレージで優秀な乗員を雇用し、戦車の武装を任務に適したものへとカスタマイズ。キャンペーンミッションへと挑んでいく。ゲームはリアルタイムで進行するため、状況に応じてクルーに指示を与え、修理や治療、攻撃といった行動を行うことになる。もちろん戦車の移動もプレイヤーの仕事だ。どのようなルートを取って任務に挑むかは、戦果に大きく影響することだろう。

ともあれ、なにごとも準備は肝心だ。想定される事態への十分な備えこそが、乗員たちの生死を分かつのである。その乗員たちであるが、彼らはガレージで雇用することができる。運転を任せることになる操縦手、主砲などを扱う砲手、通信を担当する無線手など、さまざまな役割に分かれている。それぞれ異なる特徴、スキルを有しており、任務に合った人選が問われるだろう。

戦車は、武装、装甲、塗装のカスタマイズが可能だ。武装は機関銃、対戦車砲、榴弾砲、火炎放射器など、さまざまな種類が用意されており、前後左右それぞれ異なる兵器を搭載できる。装甲は軽装甲から重装甲まで選択が可能で、前面、側面、後面、上面、底面、それぞれに異なる種類の装甲を取り付けることができる。とはいえ重量の問題もあるため、車体をすべて重装甲で覆うのは難しい。戦闘においては、前面など特に装甲を厚くした面を敵に向けて戦うことになるだろう。スキンやデカールも変更可能となっており、戦車を自分好みに彩ることが可能だ。

準備を終えたなら、戦場へ向かう時だ。ミッションを開始すると、ブリーフィングで目的が示される。指定されたポイントの確保や、有刺鉄線の破壊など任務の内容は多彩だ。乗員たちをそれぞれの持ち場に配置したら、戦車を駆って戦いへと加わろう。ミッション中は乗員たちにリアルタイムで指示を出していくことになる。故障したエンジンの修理や、砲の弾薬補充、倒れた乗員の治療などやるべきことは山積みで、緊張感あふれる戦場を体験できるはずだ。戦車の行く手を阻むのは、敵の歩兵や戦車、戦闘機に地雷などさまざまである。しかし乗員のアビリティや、任務達成などで得られるコマンドポイントを消費して発動できるスキルを駆使すれば、より優位に戦いを進めることができるだろう。

本作の開発、販売はGattai Games。シンガポールを拠点とする小規模なゲームスタジオだ。2014年に5人の開発者によって設立された。スタジオ名は、開発者たちが合体ロボットが大好きだったことから付けられたという。同スタジオによるVR専用のサウンドベース・ステルススリラー『Stifled』は、数々の賞に輝いており、系統こそ異なるものの、独創的なアイディアを生かした本作にも期待したいところだ。

『Armored Battle Crew』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、リリース日は未定となっている。

Kouzou Suzuki
Kouzou Suzuki

子供の頃からアイディア勝負の変わったゲームを好む。気が付くとインディーゲームの魅力に取り憑かれており、人々を同じ沼へと引きずり込むべく記事の執筆を開始。

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