「捨てられた都市」で暮らすSLG『Common’hood』開発中。廃工場を拠点に、作業の自動化などを用いて社会を作り出すサバイバル

まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第596回目は『Common'hood』を紹介する。『Common'hood』は、『Block’hood』の開発者が手がけるサバイバルシミュレーションゲーム。打ち捨てられた都市が舞台になるのだという。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第596回目は『Common’hood』を紹介する。

『Common’hood』は、捨てられた都市にて暮らすサバイバルシミュレーションゲームだ。舞台となるのは、現代の都市。経済が崩壊し、多くの人々はこの地を去ってしまった。社会を形作った鉄筋コンクリートは、もはや自然に侵食されてしまっている。ここには社会と呼べるものはなく、人の住処といえる場所もない。近隣の住民と共に“残されてしまった”プレイヤーは、放棄された工場を拠点とし、新たな生活を始める。

本作は、サバイバルとシミュレーションをかけ合わせた作品だ。経済と地域を発展させて、打ち捨てられた場所にて、新たに社会を作り出すことを目指す。まずは廃墟をシェルターに改造し、住処とする。周囲のエリアを探索し、素材やリソースを確保。外では、食料となる作物の栽培も並行しておこなう。人々の衣食住を確保できれば、作業場を用意して機械を組み上げたり、どこかから見つけてくるなどして設置。素材などを加工して、製品にしていこう。人を配置し、諸々のフローを安定させよう。その後、さまざまな機械を作り出し、規模を拡大させる。マーケットを作り、そこで製品を売ることで市場と経済を作る。活気づいていけば、人々も集まってくる。そうして、新たな社会を生み出していくのだ。

本作は、住民の衣食住といったパラメータを管理していきながら、経済発展のためにさまざまなツールをクラフトしていくことがひとつの目標となる。さまざまなパーツを組み合わせて、ツールをクラフト。建物の構造もまた、自分で細かくカスタマイズすることができる。ゲームは一人称視点で展開されるので、『マインクラフト』のようなサンドボックスゲーム的な体験も味わえるだろう。住民にはそれぞれに、バックグラウンドが用意されており、単なるNPCには終わらないという。「残された人々」という魅力的なテーマを掘り下げる物語が展開されることも期待したい。

建設システムは凝らされているが、一方でこのプロセスを毎回しなければいけないことに億劫さを感じるプレイヤーもいるだろう。本作の特徴としてはBlueprintシステムが用意されており、これにより特定の要素をグループ化し保存することができる。Blueprintで保存すれば、それらのものを機械により自動生産させたり、もしくは人々に作成を任せることが可能。このBlueprintはオンラインで他人と共有したりできるほか、オンライン・マーケットプレイスにて販売し、対価としてリソースや機械パーツを入手することも可能であるという。 最終的には、クラフトだけでなく一連の作業や農業など、多くの部分を自動化させることができるとのこと。

本作を手がけるスタジオPlethora ProjectのCEO Jose Sanchez氏は、シミュレーションゲーム『Block’hood』を手がけた開発者。『Block’hood』は、「ブロックを縦に積む」ことで街や居住空間を人々に提供するというユニークなコンセプトが好評を博した。『Common’hood』もまた、独特の切り口でサバイバルゲームを作り上げる作品になるだろう。『ニーア オートマタ』にもあったような、荒廃した都市を含めた世界観など、光るポイントが多い本作。近日中にはデモを配信する予定があるようなので、気になる方はフォームから申請しておこう。

『Common’hood』は、PC(Steam)向けに発売予定だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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