アクシデントを装って死をお届けするパズルADV『Felix The Reaper』開発中。太陽を動かして影を作り、恋する死神ダンサーを導く

インディースタジオKong Orangeが、影を使った3Dパズル・アドベンチャーゲーム『Felix The Reaper』を開発中だ。ゲームプレイの舞台となるのは、人間界のわずかなエリアを切り取った、空に浮かぶ小さな箱庭だ。プレイヤーの目的は、その箱庭にいる特定の人間に死をお届けすること。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第590回目は『Felix The Reaper』を紹介する。

デンマークに拠点を置くインディースタジオKong Orangeが、影を使った3Dパズル・アドベンチャーゲーム『Felix The Reaper』を開発中だ。本作の主人公は、死を司る省庁の職員であるFelix。彼は、Betty The Maidenという名の女性に恋をしている。しかし彼女は、Felixとは真逆の生を司る省庁に務めており会うことができない。そこでFelixは、人間界に行けばいつか彼女に会えるのではないかと考え、現場で働く死神へと転属する。

ゲームプレイの舞台となるのは、人間界のわずかなエリアを切り取った、空に浮かぶ小さな箱庭だ。プレイヤーの目的は、その箱庭にいる特定の人間に死をお届けすること。ただし、死神は直接手を下すことはしない。Felixを操作し、あくまでアクシデントによって亡くなるよう仕向けるのだ。本作には20種類以上のステージが用意され、1人のターゲットに対して物語に沿った5つのパズルが用意されている。同じテーマのレイアウトが異なるマップを順番にプレイし、それぞれのパズルを解いてひとつずつ死への準備を整え、そして最後のマップにて“仕上げ”をおこなう。

たとえば上に掲載したトレイラーでは、極寒の地にて狩りをする男と連れの2人組がおり、緑色の服を着た連れの男がこのステージで死んでいただく運命にあるターゲットだ。Felixの行動中は人間の時間は静止している。そして、最後の場面で転がっていく樽にて目的を果たすであろうことがうかがえる。死神としてそうした結果をもたらすためには、段階を追って死のアクシデントが発生し得る状況を作らないといけない。

マップの床はグリッド状になっており、クリックしたポイントにFelixは移動する。ただし、死神であるFelixは影のある場所しか移動できない。マップ内では、建物や樹木などのオブジェクトの影が長く伸びており、その上を移動していく。またFelixは、太陽の位置を90度移動させる能力を持っており、影が途切れて進めなくなった場合に使用すると、別のオブジェクトの影が伸びてきて先に進む道となる仕組みだ。太陽を移動させた後も、Felixがまた影に入る場所にいないとミスになってしまうため、周囲のオブジェクトと太陽との位置関係を把握しておく必要があるだろう。

ステージの各マップでは、最初に大まかな目標が伝えられる。たとえば前述の極寒の地の場合、狩人はトナカイを狙っているが、投げた槍を外してしまった瞬間で時間が止まり、ゲームプレイが始まる。ここでの目標は、トナカイを外れた槍の先に移動させ、仕留めさせること。本作では特定のオブジェクトを持ち上げ、目標を達成できる場所に運んでいくことが主なゲームプレイのひとつとなり、その道中の移動に上述の太陽と影が大きく関係してくる。

影は持ち運び可能なオブジェクトからも生まれるため、ただ太陽を動かすだけでは進めない場合に、どのようにしてオブジェクトのある場所まで行き、そしてどこにオブジェクトを置くかということも頭を悩ませる。またマップによっては、特定のオブジェクトが移動するスイッチが床に配置されていることもある。これも主に影を作るための仕組みで、中には踏んでいる間だけ有効なスイッチもあり、その場合は何かオブジェクトを持ってきて代わりに押させておくことになるだろう。このほかにもさまざまなギミックが登場するかもしれない。本作のゲームプレイは、こうした複数の要素の組み合わせのパズルによって成り立っているのだ。また各ステージは、より難易度の高いハードコアバージョンも用意されており、何らかの条件によりアンロックできるとのこと。

ちなみに極寒のステージではその後、仕留められたトナカイの首を小屋の壁に掛け、酒樽を運び緑色の服の男に酒を飲ませて酔わせ、そして別の樽に運んできた石を詰める。そして最後に、その重くなった樽が酔った男がもたれかかる小屋へと転がっていくよう、レールが敷かれた場所へと運んでいく流れとなる。それぞれのパズルをこなし、トナカイの首が掛かった小屋に樽が転がっていった後、どのようにして男が死を迎えるのかは、本作の発売後にプレイして確認してほしい。

本作は頭を使うパズル要素に加え、隙あらば軽快に踊り出すFelixの妙になめらかなダンスも見どころのひとつ。彼は、恋する彼女を魅了するために日々特訓中なのだ。開発ではプロのダンサーを雇い、その動きを再現しているのだという。また、ダンスをする際に欠かせない音楽は、10組以上のインディーアーティストが手がけており、Felixはポータブルプレイヤーでそれを聴いているという設定。開発元Kong Orangeは、特に注文をつけることなく自由に作曲してもらったそうで、ゲーム中にはさまざまな音楽を楽しめるとのこと。『Felix The Reaper』は、Daedalic Entertainmentを販売元としてSteam(Windows/Mac)/Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One向けに、2019年発売予定だ

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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