発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第587回目は『Equilinox』を紹介する。
本作は自然環境を構築・管理するサンドボックスゲームだ。生態系のバランスを取りながらさまざまな動植物を産み出して、世界を思うがままに彩ろう。荒れ果てた世界をどのように変えていくかはプレイヤー次第だ。豊富に用意されたタスクをこなしたり、動植物を進化させて新たな種を解放することもできる。そうして、さまざまな仕掛けを利用しながら、自分だけの理想の箱庭を築きあげるのだ。
本作の舞台となるのは、その大半が砂漠と化した荒野。残された緑は僅かで、そこに数少ない動物たちが身を寄せ合って暮らしている。この状態からどのような世界へと発展させていくかはプレイヤー次第となる。多くの植物を植えて肥沃な大地を作り上げ緑を取り戻すか、あるいは砂漠に適した動植物を繁栄させるか、そもそも大地を切り捨てて魚のために理想的な環境を作り上げることすら可能だ。
ただし、最初からすべての生命を自由に誕生させることができる訳ではない。ゲーム開始時点では、大半の動植物がロックされた状態となっているためだ。ロックを解除するには、既存の動植物を進化させる、あるいは後述するタスクをこなしていく必要がある。また、それぞれの動植物には、成長に適した環境なども設定されており、闇雲に誕生させても無駄に生命を散らす結果となるだろう。たとえばウサギを長生きさせるためには草原が必要で、さらにニンジンなどの食料となる植物も確保しておく必要がある。サボテンならば砂漠で育てるのが最適だ。もちろん強引に草原へ植えることもできるが、平均よりも遥かに短命で終わることだろう。
箱庭を維持管理するにあたって、もっとも重要なのは「dp」と呼ばれるポイントだ。このdpは通貨の役割を果たし、動植物を購入したり進化させる際に必要となる。dpは動物たちが定期的に一定の値を産み出す。健康で食に不自由のない動物ほど、より多くのdpをもたらしてくれるだろう。また、タスクと呼ばれるさまざまな課題をこなすことでもdpを得ることができる。タスクは、リンゴを一定数生産するなどの簡単なものから、特定の動物が暮らしやすい環境を整える、キノコを進化させるといったやや達成が難しいものまでさまざまだ。タスクをこなすことで、報酬として新たな種がアンロックされることもある。
進化によって新たな種を生み出すこともできる。動植物にはそれぞれ進化可能な種が設定されており、たとえばハーブとして知られるローズマリーは、同じシソ科のセージへと進化させることが可能だ。ただし進化にはdpが必要で、さらに生育環境も整えなくてはならない。セージであれば、周辺に一定数の木々や岩が存在することが条件となる。これらを満たして進化させることで種のアンロックが行われ、以降はdpを消費するだけで購入が可能となる。時には新たな種の存在が、異なる動植物への進化条件となっていることもあり、全ての種のアンロックを目指すならばバランスよく進化させていく必要があるだろう。
遺伝子の改変を行って、より強い個体へと成長させることも可能だ。すべての動植物は遺伝子操作によって編集可能な特性を持っており、たとえば病気や環境への耐性を向上させる、花の色を変化させる、可食性を増すといった変化を加えることができる。自然界には存在しない青色のチューリップを咲かせることさえ可能だ。ただし遺伝子の操作にもdpが必要となるため、どの特性を強化するかは十分に吟味しよう。
『Equilinox』の対象プラットフォームはPC(Steam)、Mac、Linuxで、2018年11月24日のリリースを予定している。