宇宙RPG『SpaceBourne』開発中。広大な宇宙を孤独に生きるか、もしくは軍隊を指揮して戦うか

今回のIndie Pick にて紹介する作品は、『SpaceBourne』。『SpaceBourne』は宇宙を舞台にしたRPG要素のあるスペースシムだ。メインストーリーは存在するものの、どのようにプレイするかはプレイヤーに委ねられている。広い宇宙にて、自由に生きることが可能である。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第574回目は『SpaceBourne』を紹介する。

本作は宇宙を舞台にしたRPG要素のあるスペースシムだ。メインストーリーは存在するものの、どのようにプレイするかはプレイヤーに委ねられている。未知の星系を求めて広大な宇宙を放浪するも良し、バウンティハンターとなって賞金首を狩るも良し。あるいは海賊として商船を襲撃したり、基地を構えて自らの軍隊を組織することもできる。異星人同士の戦争に加担し、特定の勢力を勝利に導くことすら可能だ。

本作の主人公は、かつて「司令官」と呼ばれていた男。2029年、宇宙人の襲来によってもたらされた不治の病は地球全土を襲い、やがて宇宙人との戦いで唯一勝利を重ねていた司令官も病に倒れてしまう。そして彼は治療法が見つかるまで冷凍睡眠させられることとなった。時が経ち、司令官が目覚めるとそこは地球軌道上の宇宙ステーションだった。また病は未だ身体をむしばんでいる。数多の疑問を抱きながら、司令官は宇宙船へと乗る……というのが大筋のストーリーとなる。

冒頭にも述べたとおり、ゲームをどのように進めるかはプレイヤーの自由だ。メインストーリーを追いかけ、さまざまな謎を明らかにしていくこともできる。あるいは自動生成された広大な宇宙を旅し、自らの運命を探すのも良いだろう。しかしどのような選択をするにせよ、必要なのは、苛酷な旅に耐えうる船だ。

強力な船は危険に満ちた旅に安全をもたらし、そしてもちろん戦いにおいても勝利を容易なものとしてくれることだろう。しかしながら、高性能な船は高い。資金が心もとないならば、手持ちの船の武装を強化していくのがベストだろう。船の装備は豊富な種類が用意されており、目的に合わせて自由に換装することができる。各装備にはレベルが設定されており性能も異なるため、より強力な装備を探すのも楽しみのひとつだろう。

司令官自身にもレベルの概念は存在し、経験を重ねることでより強力なスキルを獲得していく。スキルは操船、交易、カリスマなど、いくつかの分野に分かれている。スキルの入手は、レベルアップ時に獲得したポイントを各分野のスキルツリーへと割り振るというオーソドックスなものだ。交易に特化して名だたる大商人となるか、あるいは溢れるカリスマで他種族を魅了するか……。自分だけのスタイルを選択しよう。

宇宙には異なる船および特産品を持つ、4つの種族が存在する。彼らと協力関係を築く、あるいは敵対するのも自由だ。彼らからサイドミッションを受けて懐を温めたり、戦争中の種族を助けることもできる。海賊となって彼らの船から金品を強奪するのも手だ。本作では奴隷売買も認められているため、誘拐した異種族を奴隷として取引することすらできてしまう。もちろん正義の執行者として、奴隷売買という悲劇を終わらせるための戦いを始めるのも良いだろう。

戦闘は一般的なスペースコンバットシム形式なので、同ジャンルのプレイ経験があるならば特に戸惑うことはないだろう。カメラは主観視点と三人称視点を自由に切り替えが可能だ。臨場感を味わいたいならば主観視点、戦況を把握しながら戦うならば三人称視点など、状況に応じて使い分けよう。戦闘では戦闘機同士の手に汗にぎるドッグファイトはもちろん、巨大戦艦を相手に映画さながらの立ち回りを演じることもできる。

しかしながら、強大な異種族たちを相手に独りで渡り合うというのは、いささか無謀に過ぎるかもしれない。そんな時は自分の軍隊を持つことを検討しても良いだろう。まずは拠点を築き、そして配下を増やしていこう。やがては他種族をも脅かす強大な力を手にすることができるはずだ。また、拠点内は自由にカスタマイズが可能で、バーや商店などの施設を設置することができる。さらには船を建造したり、異種族と取引することも可能だ。

宇宙は広大で神秘に満ちている。アノマリーと呼ばれる謎に満ちた事象やブラックホール、未知の星系はもちろん、豊富に用意されたイベントはプレイ毎に異なる展開をもたらすだろう。はたして宇宙の歴史を動かす英雄となるか、名も無き存在として人生の幕を閉じるか。すべてはプレイヤーであるあなた次第だ。

『SpaceBourne』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、2018年9月中のリリースを予定している。すでにUnreal Engine 4を用いて2年以上開発されており、いよいよそのベールを脱ぐことになる。

Kouzou Suzuki
Kouzou Suzuki

子供の頃からアイディア勝負の変わったゲームを好む。気が付くとインディーゲームの魅力に取り憑かれており、人々を同じ沼へと引きずり込むべく記事の執筆を開始。

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