第二次世界大戦の「潜水艦」を描くシム『UBOAT』開発中。 乗組員を管理し、艦を強化しながら任務遂行

まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第566回目は『UBOAT』を紹介する。第二次世界大戦中、潜水艦「UBOAT」の乗組員を管理し、ドイツ海軍本部から与えられる任務を遂行していくという、マニアックな潜水艦シム『UBOAT』が開発中だ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第566回目は『UBOAT』を紹介する。

第二次世界大戦中、ドイツ軍の主力兵器としてあり続けた潜水艦「UBOAT」の乗組員を管理し、ドイツ海軍本部から与えられる任務を遂行していくという、マニアックな潜水艦シム『UBOAT』がPlayWayよりリリースされる。

『UBOAT』はシングルプレイ専用の潜水艦のシミュレーターゲームだ。これまでの同ジャンルのゲーム(潜水艦シミュレーション)とは、異なるものになると開発チームは語る。プレイヤーが潜水艦の艦長として、乗組員を管理していくことになるが、その乗組員は一人一人に個性が存在するのだ。個性は顔、性格、技能、弱点という細部にまで及ぶ。リアリティな描写がなされているのは人間の個性だけではない、プレイヤーが乗組員を厳しく管理した場合、肉体的にも精神的にも鍛えることができるが、反発を生む可能性もあるようだ。その結果、乗組員が敵国のスパイになってしまうこともあるのだという。

『UBOAT』の特徴は、ドイツ海軍本部から与えられるキーミッションが、“第二次世界大戦の歴史”に沿って進むことにある。ミッションを達成するなど功績を上げることで、艦を強化することができるのだが、敵である連合軍側も同じ「UBOAT」の開発を進めていく。興味深い点としては、第二次世界大戦の終わりに近づくにつれ、ドイツ軍の暗号「エニグマコード」が破られたり、UBOAT対策として航空機レーダーを搭載した戦艦が登場するなど、史実に基づいた変化があるということだ。つまり、ミッションを達成していくにつれ、プレイヤーは窮地に立たされやすくなることが予想できる。

航行中は画面下に稼働している乗組員の顔リストが表示され、組員からの報告が上がってくる模様。敵船を発見した場合はもちろん、何かしらのトラブルの報告も行われる。乗組員の能力の向上も、艦長であるプレイヤーの管理の腕を問われるだろう。なお本作では潜水艦の船内構造も作り込まれており、コンプレッサーやバラストタンクなどが忠実に再現されている。事故にあった際に船の損傷をほうっておくと浸水してしまうことも。ヒトとモノの両方を管理することが重要なのだ。

『UBOAT』は、ウォルフガング・ペーターゼン監督による、映画「U・ボート」から非常に大きな影響を受けており、映画に登場した兵士たちの生活を再現しつつも、サバイバルサンドボックスゲームとして開発を行っているという。筆者は映画の方を二回ほど観たことがあるのだが、非常に困難な状況に置かれた兵士たちの不安や、そこから見出す希望を展開など、絶望と希望の狭間で揺れる船員たちの心理描写は、特筆すべきものがある。Steamストアページにおいて、「潜水艦は彼らのホームだが、いつだって墓にもなる」と紹介されているように、スリリングな展開はゲームにおいても再現されるのだろうか。

現在のところ、日本語対応やコンソール版リリースのアナウンスはされていない。『World of Warship』などの戦艦をテーマにした作品はもちろん、ストラテジー要素を持ち合わせているということで、じっくりと考えて遊べるような作品が好きなゲーマーにとっては魅力的なゲームになるのではないだろうか。発売日予定日はSteamストアにて2018年内と記載されており、今後の展開などの続報が待たれるところだ。

Semapho
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Semapho(セマフォ)という名前で記事の執筆をしています。ジャンル問わず世界中のゲームをプレイしています。

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