リアリティを追求したオープンワールドサバイバル『Survisland』発売目前。栄養バランスから体温まで気にして目指せ孤島の健康生活

今回のIndie Pickで紹介するのは『Survisland』。『Survisland』はリアリティを追求したサバイバルゲームだ。舞台となるのは、植生豊かで広大な面積を誇る絶海の孤島。プレイヤーはこの島に生活基盤を築き、苛酷な環境を生き延びねばならない。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第561回目は『Survisland』を紹介する。

本作はリアリティを追求したサバイバルゲームだ。舞台となるのは、植生豊かで広大な面積を誇る絶海の孤島。プレイヤーはこの島に生活基盤を築き、苛酷な環境を生き延びねばならない。しかし現実的な観点から考えられたゲームシステムの数々は、生存の難易度を大幅に引き上げる。食事には栄養バランスの概念があり、簡単に手に入るからとという理由で同じ食材ばかり食べ続ければ体調不良を招く。物資にはサイズや重量などが設定されており、たとえ重量が軽くとも、サイズが大きくかさばる物は一度に少数しか運ぶことができない。他にもさまざまな仕組みがあり、それらは本作を極めて挑戦的な作品に仕上げている。

サバイバル生活の中心となる島は、大きく分けて浅瀬、マングローブの森、沼の3つの環境から構成されている。それぞれに独自の景観、植生、資源が存在するため、環境に応じて生存戦略を変えていく必要があるだろう。マップは自動生成され、プレイ毎に新しい体験をもたらすという。また、現実同様、日の出や日没といった時間、曇りや雨、強風などの天候に加えて、四季による変化も存在する。

真夏の強い日差しや、冬の寒さは体温に影響を及ぼすため注意が必要だ。夏の場合は日陰となる場所で休む、海でひと泳ぎする。冬ならば事前に暖かい衣類を用意しておく、キャンプファイアで暖を取るなどの適切な行動が求められる。また、果樹を含む一部の植物は季節に応じて実をつけるため、一年を通して安定した食料確保を実現するならば、それぞれの収穫時期も把握しておかねばならない。

サバイバル生活において大事な要素のひとつに、食事があげられる。水や食料を切らしてしまえば、身体はすぐに限界を迎えることだろう。島を探索する際は、果樹を含むさまざまな食料の在り処に目を光らせておこう。ただし、前述したように栄養バランスは非常に重要であることを忘れずに。野菜を一切摂らず、魚だけで食事を済ませる。果物だけで生きていく。そういった偏った食生活は、風邪などの病気の原因となる。病気はスタミナを低下させ、体力の回復に大量のカロリーを消費する。病院すらない孤島では、ただの風邪と甘く見ているとそのまま命を失うこともある。健康管理には十分に注意を払おう。

文明化されていない土地でも、道具を作り出せば新たな可能性が生まれる。クラフトをして多彩な道具を作ろう。木を切り倒すならば、斧。石を砕くならばピッケルが必要となるだろう。道具の作成は、手にした物で対象を加工することで行う。たとえば斧の持ち手部分を作成するならば、石のナイフを片手に太い枝を削ることになる。さまざまな道具を生み出せば、多少なりとも資源集めが容易になることだろう。

強風や雨から身を守るため、そして安全に睡眠を取るためにはシェルターの建築も欠かせない。本作は建築システムもユニークで、柱を一本ずつ建てていくことになる。柱は家の土台であり、乱雑に建てれば、ちょっとした風でも当て物が崩壊する大惨事になりかねない。トラス(三角)構造など、壊れにくい構造を意識して柱を組んでいく必要があるだろう。柱を組み終えたら、屋根に草の葉を載せれば簡易シェルターの完成だ。もちろん石などを利用すれば、より天災に強い家を建てることもできる。

このように、『Survisland』は無人島を舞台に繰り広げられる、リアリティを重視したサバイバルゲームになるようだ。早期アクセスでの販売開始時点では石器時代レベルの生活が限界だが、将来的には金属加工なども可能にするとしている。さらに、独自の生活スケジュールを持つ野生動物や、新たな自然環境、精神の健康状態といった要素の追加も予定されている。なお、マルチプレイ対応には言及されていない。

サバイバルゲームにおいては、リアルな要素がゲームのサイクルの礎となり、没入感を生み出すが、一方で制約はストレスをもたらす。サバイバルゲームにおいてリアリティを追求する作品は多く存在するが、本作に込められたリアリティが楽しさになるか苦痛になるのか、興味深いところ。

『Survisland』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、7月17日に早期アクセスでの販売開始が予定されている。早期アクセス期間は2年を計画しており、長期間にわたり開発されていくようだ。

Kouzou Suzuki
Kouzou Suzuki

子供の頃からアイディア勝負の変わったゲームを好む。気が付くとインディーゲームの魅力に取り憑かれており、人々を同じ沼へと引きずり込むべく記事の執筆を開始。

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