少女と精霊が進むグラップリングアクション『Little Bug』開発中。ギミックだらけのファンタジー世界を、アイディアで切り拓く

アメリカ・ロサンゼルスに拠点を置くインディースタジオBuddy Systemが、アクションゲーム『Little Bug』を開発中だ。『Little Bug』の主人公は、街に暮らす8歳の女の子ナイア。彼女が精霊とともに不思議な世界を旅する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第554回目は『Little Bug』を紹介する。

アメリカ・ロサンゼルスに拠点を置くインディースタジオBuddy Systemが、アクションゲーム『Little Bug』を開発中だ。本作の主人公は、街に暮らす8歳の女の子ナイア(Nyah)。彼女はランチボックス片手に学校からの家路についていたところ、不思議な体験をする。家に着いた彼女は、母や妹にそのことを興奮気味に話すが、真面目に取り合ってもらえない。そうしたなかナイアは突如、ネオンカラーに輝く精霊たちが暮らし、同じサイクルが延々と繰り返される奇妙な世界に迷い込んでしまう。そこは、神秘的だが危険な世界だった。

この精霊の世界で、ナイアは青く輝くオーブ状の精霊と出会い、共に行動することになる。本作は2.5Dの横スクロール・アクションゲームで、底無しの渓谷や氷の洞窟、月夜の砂漠などのステージを進む。ナイア自身は左右に走ることしかできず、ジャンプしたり段差を乗り越えたりすることはできない。そこで、オーブ(正式名称が不明なので本稿ではこう呼ぶ)の力を借りるのだ。プレイヤーはナイアをA・Dキー/左スティックで左右に移動させると同時に、カーソルキー/右スティックで空を飛ぶオーブも移動させる。そしてスペースキー/RBボタンを押すと、オーブからナイアに向かって光のビームが放たれ、ナイアと紐で繋がれたような状態になり、オーブを支点としたグラップリングアクションが可能となる。これを使ってナイアを引っ張り上げて段差を登ったり、スイングしてギャップを飛び越えたりするのだ。

ステージ内にはいくつかギミックがあり、たとえば青白く光るブロックがある。このブロックは、ナイアが上に乗ると一定時間だけ消える。しかしオーブの場合は触れても消えず、通り抜けることもできないため、このブロックが進路を塞いでいる場合は、ナイアがブロックを消してオーブを導く形になる。一方、足元ではなく壁や天井のように置かれている場合は、ナイアが触れても消えることはない。このブロックは、オーブからナイアに放たれる光を当てても消えるという特性がある。そしてこういった場面では、オーブを先行させる抜け道がどこかに用意されているため、先回りさせたオーブを使って、今度はナイアのために通り道を作るのだ。このブロックは進路を塞ぐだけではなく、乗れば消えることからトラップとしても配置されている。

ナイアとオーブは、スペースキー/RBボタンを押している間だけ光の紐で繋がれるが、ナイアを吊ったままでいられる時間には限りがあり、ナイアを吊り下げていると、オーブは徐々にピンク色に染まっていき、最終的には接続が切れてナイアは落下してしまう。そのため、目的の場所に確実にナイアを導くために、両者はどのような位置関係が最適なのかを見出すことが、本作のゲームプレイにおけるキーポイントのひとつとなるだろう。場面によっては、両者を同時に移動させながらの素早い操作も求められるかもしれない。なお、オーブは時間経過ですぐに青色に戻る。

この世界には、オーブ以外にもさまざまな精霊がいる。たとえば大きな手の形をしたものや、空から大粒の涙を流す大きな目玉、あるいはナイアを追い回す人のシルエットのようなものなど。本作の中で唯一手描きスタイルとなっており、またどこか幼い子供が描いたような雰囲気であることが興味深い。それらはオーブとは違いピンク色に光っており、触れるとミスになってチェックポイントからやり直しとなってしまう。本作では、青色は味方、ピンク色は敵というルールがあるようだ。目玉が流す涙の中には青色をしたものも混じっており、それは触れても問題ない。ゲームではピンク色の精霊を避けるためのグラップリングアクションが求められるが、ナイアだけではなくオーブもピンク色の精霊に触れるとミスになるため、やはり両者の位置取りが重要だ。

またステージ内には、グラップリングアクションを駆使してたどり着ける、隠し部屋やステージを進む別ルートも存在するという。また道中では植物や生き物の死骸など、さまざまなものを発見でき、そのたびにナイアはランチボックスにしまい込む。ナイアは生命科学の授業が大好きで、こうして収集することを日課としているのだ。アイテムごとに、ナイアと家族との思い出話などに触れることもできる。隠し部屋では、こういったアイテムを発見できるのかもしれない。

『Little Bug』は昨年、ゲーム専門クラウドファンディングサイトFigにて資金の獲得に成功し、開発が続けられている。そして、Figのパブリッシング部門を販売元として、PC(Steam)向けに今年の夏に発売予定だ。本作はGame Joltを通じて無料体験版が配布されているので、興味のある方はプレイしてみてはいかがだろうか。製品版ではビジュアルなどがアップグレードされ、またローカル協力プレイにも対応するとのことだが、本作のユニークなグラップリングアクションを試すことができる。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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