「ファンタジー世界の酒場」を一人称視点で営む『Oi, Innkeep!』開発中。食材の栽培からゲロの片付けまで全部やる

今回のIndie Pickで紹介する『Oi, Innkeep!』は、酒場を切り盛りするシミュレーションゲームだ。『Oi, Innkeep!』はいわゆる経営型のシミュレーションとは異なり、一人称視点で食材の栽培から料理し、客同士の仲介まで幅広く対応する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第544回目は『Oi, Innkeep!』を紹介する。

『Oi, Innkeep!』は、酒場を切り盛りするシミュレーションゲームだ。舞台となるのはファンタジー世界。かつて繁栄を極めた酒場は、寂れてしまっている。プレイヤーは店主となり、冒険者を呼び寄せかつての栄華を取り戻すのだ。ファンタジー世界×酒場経営作品としては、弊誌でも『Tavern Keeper』や『Epic Tavern』といったタイトルを紹介した。本作の特徴は、「一人称視点」と「自由の高さ」にある。いわゆる、シミュレーターゲーム色の強い作品と言える。

『Oi, Innkeep!』では、プレイヤーは見下ろし視点ではなく、主観視点で酒場を切り盛りする。活動内容も酒場の運営だけでない。近くの畑にて酒場で出す料理の素材を栽培し、プレイヤー自ら調理をおこない提供する。料理の味はもちろんのこと、居心地の良さを感じてもらうために酒場内部を賑やかに装飾することも重要になるだろう。皿洗いや掃除も最初は自分でおこない、清潔感を保つ必要もある。時には飲みすぎた客の“ゲロ”を拭くハメになることも。酒場内でおこなわれている喧嘩を仲裁するのは、店主であるプレイヤー。もしくは、自分から喧嘩を仕掛けることもできるようだ。家賃を無事に払う余裕ができたら、部屋の拡張や増築を進めていける。疲れ果てて訪れる冒険者向けの休息所なども設置できるとのこと。

料理についてのプロセスは、シンプルながら奥深い。材料を幅広く選定できるのはもちろんのこと、火加減を調整したり、レシピの中で隠し味を加えるなど、自分なりに料理をアレンジすることが可能。料理中はずっとその操作に拘束されるわけではなく、火をかけたまま他の客の注文を聞くことなどもできたり、はたまた作った料理を客に投げつけることもできるという。

また本作の大きな特徴のひとつとしてあげられているのが、NPCの作り込みだ。訪れるNPCにはそれぞれ性格や職業、好みが設定されている。怒りっぽい旅人は、たちまち酒場で暴れだし、それを見た臆病な女性はすぐに逃げてしまうだろう。性格や趣味が一致すれば、来客者同士の関係も深まっていく。一緒に酒場を訪れたり、ふたりが恋に落ちるといった状況も怒り得るのだ。そのほか、彼らは仕事や目的を抱えており、たとえば、たまたま立ち寄った商人が、酒場を装飾するカーペットをプレイヤーに売ってくることもあるという。遠方からの来客者はよりレア度の高いアイテムを販売してくれることだろう。

酒場で決闘を始めるあらくれども

『Oi, Innkeep!』は、最近になり密かに人気が高まりつつある「ファンタジー酒場」を題材にし、シム要素を取り入れた野心作になりそうだ。発売時期は2018年で、対応プラットフォームはPC(Steam)。Modにも対応する予定であるとのこと。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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