発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第525回目は『Spire of Sorcery』を紹介する。
『Spire of Sorcery』はRPG要素のあるシミュレーションゲーム。プレイヤーは秘匿された知識に手を出して「審問会」に追われる身となった老魔術師だ。彼(または彼女)は「審問会」さえも寄り付こうとしない「歪なる地」へと逃げ込み、禁術である「魔術の塔」を唱えて塔を作り上げた。塔にさまざまな機能を持つ部屋を建築しつつ、それらを強化・発展させ、やがて訪れてくる魔術師たちを弟子として教育する。そして旅立つ準備のできた彼らを塔の内外のクエストへと送り出し、「若さの秘薬」の製法と材料を探すのだ。 老魔術師が老齢によって死を迎えるその前に。
舞台となるのは強大な魔術師たちによる古代戦争の傷跡が今も残り、危険なモンスターと盗賊がはびこる世界「ルンド」。マップはキャンペーンを新しく開始する度に自動生成される。拠点となる塔は、図書館や研究室など固有の効果を持つ部屋を建築・強化することができる。また、塔を侵入者から守るためトラップを設置したり、侵入者撃退用にモンスターを飼うことも可能。なお、建築には石材や木材、鉄といった資源に加え、魔法のエネルギーを消費する。もしも資源が底を付いてしまった場合、魔法のエネルギーを大幅に消費して代用することも可能である。自分の戦略に沿った理想の塔を築き上げよう。
塔を発展させることで、弟子になりたいと願う魔術師たちが訪ねてくるようになる。彼らを受け入れ、教え、そして能力にあった役割を見つけよう。ある者は偉大なる探検者となり、また別の者は庭師として希少な材料を育てあげてくれることだろう。ただし、中には裏切り者と化してプレイヤーの毒殺を企てる危険な者もいるので、用心する必要がある。また、居室の数にも限りがあるため、外見と言い分から人となりを推察して自分の目的にあった人物を採用する必要がある。
弟子たちの旅立つ準備が出来たならば、彼らをクエストへと送り出そう。クエストは古代遺跡の探索や希少な素材・動物の収集といった基本的なものから、塔内の菜園管理や錬金術の実験まで幅広い。成功すれば、遠い昔に失われた知識や遺物、希少な材料などを手に入れることができるようだ。
塔の評判が広まっていくにつれ、より多くの弟子候補や財宝を狙う冒険者パーティといった人々が訪れるようになる。いずれは強大な私設軍や、魔術師狩りの使命を帯びた「審問官」の兵士たちも現れるようだ。そして弟子たちが世界を旅するようになれば、危険な病を塔へと持ち込んだり、突然死の呪いを受けるなど晒される危険も増えていく。さらにプレイヤーの分身たる老魔術師は、生命の終わりが近づくにつれて衰弱していく。それは塔の守りを維持できなくなるほどに。さまざまな危険を生き延びながら、探索から交易までありとあらゆる手を尽くして「若さの秘薬」の製法と材料を探し求めよう。秘薬こそがこの壮大な計画の最終目標なのだ。
本作を手がけるのは、リトアニアのインディーデベロッパーCharlie Oscar Lima Tango Interactive Entertainment。過去に『Gremlins, Inc.』や『Eador: Genesis』などをリリースし、奥深い戦略性とリプレイアビリティの強さにより、ユーザーから高い評価を受けてきた。今作も彼らの得意とするジャンルのゲームであり、完成に期待したい。また、Steamストアページによると日本語にも対応予定のようだ。同ゲームのSteamストアでは日本語ニュースが配信されているほか、開発元のSNSアカウントでも日本語入りのスクリーンショットを掲載しており、なんらかの形で日本語が実装されると考えてよさそうだ。
対象プラットフォームはPC(Steam)で、リリース時期は2018年中を予定している。