ネオン眩しい惑星を駆け抜ける“哲学的シューター”『DECEIVER』開発中。パルクールと射撃で他プレイヤーを出し抜く

カナダに拠点を置くインディースタジオHelvetica Scenarioが、『DECEIVER』をWindows/Mac/Linux向けに開発中だ。本作は1982年公開のSF映画「Tron」から影響を受けた3Dグラフィックが特徴の、哲学的シューター作品(Philosophical shooter)だという。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第510回目は『DECEIVER』を紹介する。

カナダに拠点を置くインディースタジオHelvetica Scenarioが、『DECEIVER』をWindows/Mac/Linux向けに開発中だ。本作は1982年公開のSF映画「Tron」から影響を受けた3Dグラフィックが特徴の、哲学的シューター作品(Philosophical shooter)だという。

『DECEIVER』の舞台は、まもなく終焉を迎えようとしているとある星だ。裕福な人々はすでにこの星を捨てて、ほかの星の入植地へと移っていってしまった。プレイヤーはというと、経済的な余裕がなく取り残された側の人間である。しかし、まだ生き残るチャンスはある。見捨てられた人間同士で戦い、手遅れになる前に十分なお金を貯めてこの星から脱出するのだ。

滅びゆくこの星では、いまやエネルギーのみが貨幣的な価値を持っているという。本作の世界は、前述した映画「Tron」を彷彿させるネオンカラーのワイヤーフレームのようなグラフィックスタイルで表現されており、プレイヤーはその3D空間を『Mirror’s Edge』のようなパルクールを駆使して探索する。全8種類用意されるマップ内にはゾーン(エリア)ごとに目的地となる場所があり、それを探し出してゾーンを確保することがパルクールパートの目標だ。そしてゾーンを確保すると、人ひとり入れるサイズのポッドがアンロックされる。

そのポッドに入ると、今度はバーチャル空間での対戦シューティングへと移り変わる。本作は最大12人でのオンラインマルチプレイに対応しており、このパートではプレイヤーは、壁などに張り付くことができるクモ型ロボットを操作して戦う。敵を倒すとSparkと呼ばれるエネルギーを獲得でき、武器やアーマーのアップグレード、あるいはミニオンの召還や残機アップなどに使用可能だ。公開されたトレイラーでは、ほかのプレイヤーと撃ち合いながら、コアの破壊を目指すゲームモードが紹介されている。ゲームモードは、最終的に全4種類用意されるとのこと。

どうやらパルクールパートにおいても、マルチプレイでゾーンの確保競争をおこなうようだが、まだ詳細が明かされておらずはっきりしない部分が多い。いち早くゾーンを確保することで、シューティングパート内でエネルギーをより多く獲得できるチャンスが高まるのかもしれない。マルチプレイは最大4人での画面分割プレイにも対応するという。

また、ストーリーに関してもまだ多くが伏せられている。「哲学的シューター」というなかなかイメージし難いジャンル名がつけられているが、本作を手がける開発者のEvan Todd氏は、ストーリーを追う中でプレイヤーは固定概念に疑問を抱くことになるだろうとコメントしている。そのストーリーは、『The Talos Principle』のように音声ログという形で主に提供されるそうで(同作も「哲学的パズルゲーム」と銘打たれていた)、合わせて4時間分のボリュームになるという。

『DECEIVER』の開発元Helvetica ScenarioはEvan Todd氏の個人スタジオで、音楽や一部のレベルデザイン以外はすべて彼一人でおこなっているそうだ。2014年に参加したゲームジャムイベント7DFPSで制作した作品をもとに発展させているという。本作の発売時期は2019年5月で、価格は19.99ドルを予定している。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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