テスラとラヴクラフトが共演を果たすツインスティック・シューター『Tesla vs Lovecraft』日本語字幕付きで1月26日発売へ

カルト的人気を誇る二人が夢の共演を果たす『Tesla vs Lovecraft』は、『JYDGE』などで知られるインディーデベロッパー10tonsが開発するトップダウン視点のツインスティックシューター。プレイヤーはニコラ・テスラを操作し、H・P ラヴクラフトが召喚した異形のものたちと、科学の力を駆使して戦う。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第506回目は『Tesla vs Lovecraft』を紹介する。

カルト的人気を誇る二人が夢の共演を果たす本作は、『Time Recoil』『JYDGE』などで知られるインディーデベロッパー10tons Ltdが開発するトップダウン視点のツインスティックシューター。プレイヤーは発明家ニコラ・テスラを操作し、怪奇作家H・P ラヴクラフトが召喚した異形のものたちと、科学の力を駆使して戦う。対応プラットフォームはWindows(Steam)で、2018年1月26日に日本語字幕付きで発売される。また将来的にはPlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switch向けのリリースも検討されている。

※2017年4月に公開されたトレイラー

20世紀初頭、新しい送電システムの発表会を開催していたニコラ・テスラのもとに、作家ラヴクラフトが駆けつける。発表された発明品は、人間の理解を超えた力に干渉しようとしており、世界を破滅に導くものであるとしてテスラを糾弾するラヴクラフト。当時まだ無名の作家であった彼の言葉は聞き入れてもらえず、実力行使に出ることを決意。魔道書ネクロノミコンの力を借り、異世界から怪物たちを召喚する。

ほどなくして研究所を放火され、黒い影の手により実験用器具を奪われたテスラは、ガトリングガンを搭載したメックスーツや量子テレポートマシンといった発明品を操り、旧支配者の眷属および惑星系外から飛来した異種族たちを蹴散らしていく。架空都市アーカムから近隣の墓地・埠頭・城砦を抜け、狂気の山脈を越え、ラブクラフトが待つウォーデンクリフ・タワーへと向かうのだ。

開発元のスタジオ10tonsは、作品ごとに異なるゲームメカニックを織り込みながら、短いスパンでさまざまなツインスティック・シューターを世に送り出している。例としては、敵を倒すと時間がスローダウンする『Time Recoil』、銃とスーツの高いカスタマイズ性を特徴とした『JYDGE』、レベルの自動生成システムを採用した『Neon Chrome』などが挙げられる。そして今作『Tesla vs Lovecraft』では、瞬間移動で壁や敵をすり抜け、短時間だけ無敵になれるメックスーツで危機的状況を打破することになる。

瞬間移動は攻撃を回避したり、敵の包囲網を突破する上で欠かせないスキルである。幅の狭い峡谷ならば片岸から片岸へと瞬時に移動することも可能。すると追っ手たちは遠回りしなくてはならず、距離を取るための時間を稼ぐことができる。瞬間移動のストックは3回まで(回数はアップグレードで増やせる)。使用後は数秒間のクールダウンがあり、敵に囲まれた状態でストック切れを起こすと退路を断たれてしまう。そんな窮地を脱するための切り札がテスラ製のメックスーツ。ステージ上にスポーンする部品を6つ集めると起動する。わずか数秒で大破してしまうが、搭乗中はダメージを受けることなく、ガトリングガンを連射し続けられる。

こうした強力な兵器をゲームプレイの中軸に据えるからには、それらが必要とされるだけの舞台が整っていなければならない。本作では物量によりプレイヤーを圧倒することで、その需要を生み出そうとしている。「深きものども」「シュゴス」「ダゴンの落とし子」といった創作上のクリーチャーをもとにした敵たちが、画面を覆い尽くすのだ。ゲーム後半のステージにもなると、通常の武器とアビリティだけでは到底処理しきれないだけの大群が押し寄せてくる。

全方位から押し寄せる異形のものたち。※画像は開発元より提供いただいたベータ版ビルドより

キャラクターレベルおよび装備している武器・アビリティはステージごとにリセットされる。毎回ピストル一丁だけの頼りない武装状態からスタート。そこからステージ上にランダムで出現する武器・アビリティ・パワーアップを拾い、徐々に戦力を整えていく。武器はリボルバー、トミーガン、ショットガンといったオーソドックスなものから、プラズマボルトを発射するテスラガン、金属ペレットを撒き散らすガウスショットガンといったSFチックなものまで。アビリティはX線ビーム、エネルギー波、空電妨害、タル爆弾などがある。短時間だけ効果を発するパワーアップアイテムには、スローモーション、シールド、火炎弾、そして画面内の敵を一掃する大型爆弾などが含まれている。

また敵を倒すと経験値がたまり、レベルアップするごとにランダムで選ばれたボーナス効果が付与される(都度、二択から好みの方を選択)。多くは武器のダメージ、発射レート、弾属性(貫通弾、跳弾、毒入り弾)、キャラクターの移動速度、クールダウン時間といった性能を向上させるもの。テレポート時に爆発を起こすものや、常時発動する範囲攻撃、放電ダメージといった特殊効果を追加するボーナスもある。ごく稀にではあるが、アビリティの使用回数が無限になったり、テレポートのたびにテスラのクローンが現れたりする強力なエピックボーナスが当たることも。これはいわば救済措置であり、難しいステージでもリトライを繰り返していれば、いつかはクリアできるようになっている。

エピックボーナス「プロディジー」を引き当てると、難易度がグッと下がる

なおボーナス効果を選択するには、ポーズボタンを押してプレイを止める必要がある。レベルは十数秒に一度の頻度で上がるため、恩恵を余すことなく受けたい場合は、アクションを何度も中断しながら遊ぶことになる。ツインスティック・シューターとしての爽快感に浸っていたいという方は、少し手間に感じるかもしれない。もちろん、ボーナスの選択は必須ではないので、無視してプレイを続行しても構わない。

武器や保有アビリティはステージごとにリセットされるが、プレイ中に獲得する「エーテルクリスタル」を集めると、新しい発明品(固定のパーク)をアンロックできる。テレポート回数を増やすコンダクターや、メックスーツの装甲レイヤーを強化するグラフィン合金、エピックボーナスの獲得割合を高めるエーテル蒸留機などでキャラクターを強化し、高難度ステージに挑むのだ。

ストーリーモードには100近くのステージがあり(1ステージは1分から5分ほど)、通常界・エーテル界・エルドリッチ界という3つのワールドで難易度が区切られている。狂気の度合いが増すエルドリッチ界に入ると、並大抵の武装では歯が立たなくなるため、固定パークをアンロックして準備を整えよう。ゲームモードはシングルプレイもしくは最大4人までのローカル協力プレイに対応。オンライン・リーダーボードで他プレイヤーとスコアを競うエンドレスモードも用意されている。

短いスパンで作品を世に送り出している10tons。エフェクトや破壊表現などグラフィック面でも進化を遂げている
Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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