ドワーフの要塞を作るシミュレーション『Embark』開発中、ドワーフたちの大規模な住まいをアリの巣よろしく観察

まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第498回目は『Embark』を紹介する。『Embark』は、ローグライク箱庭ゲームの『Dwarf Fortress』と、人間の生活をシミュレートし観察する『シムズ』シリーズから着想を得ている。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第498回目は『Embark』を紹介する。

『Embark』は、ローグライク箱庭ゲームの『Dwarf Fortress』と、人間の生活をシミュレートし観察する『シムズ』シリーズから着想を得ている。前者は大量の素材を組み合わせる、自由度の高いクラフトが特徴である。後者は人間の欲求と、家族や町での立場をリアルに再現している。素材ひとつとってもそれぞれ特徴があり、クラフト面における例では、鉛は柔らかく剣に向かないが、比重が大きく打撃武器にすると強くなる。欲求と社会的地位の再現については、彼ら全員に欲求があり性格や地位も全員異なっているようだ。ひとりひとりに目を向けなければ、コロニー内部での対立もあり得る。プレイヤーの腕次第で彼らの生活を天国にも地獄にもすることができる。

キッチンで調理をする様子

地中に住む性質を持つドワーフの住居を作るために、開発者は『Minecraft』に似たボクセル型の3Dの再現方法を用いた。これによって3次元方向にも自由度の高い建築を可能にしている。トレイラー動画でもこの点は強調されており、ビジュアル的にも華やかであるだけでなく、操作の面でも思いどおりに要塞を作ることができそうだ。なお開発者は住居だけではなく、上下水道を重要視している点が見受けられる。水なしで生きるのは、彼らにとっても考えられないことなのだろう。なので風車を使って水をくみ上げ、浄水と汚水をしっかり管理したい。

水を水車でくみ上げているのがわかる

このゲームは建築とインフラ、欲求と性格という、マクロとミクロの双方に気を配る必要がある。さらには4平方キロメートルからなる広大な世界と、植物と鉱物からなる多種多様な素材およびドワーフの性格は、ゲームの展開を毎回違ったものにするだろう。皆さんがイメージするドワーフはきっと多くの側面があるだろう。仕事好きの心優しい性格かもしれないし、気難しい秘密主義者かもしれない。このゲームを通じて様々なドワーフと触れ合ううちに、彼らを以前より好きになれそうだ。

本作は現在Kickstarterにて資金の支援を募っているものの、十分な自己資金を持っているようで、完成までの目途が立っているという。クラウドファンディングを開始した意図としては、オーディオ等のクオリティアップの資金と、開発を進めるためのフィードバックを得ることが、目的だと明記されている。支援者には2018年12月にSteamキーの配信が予定されている。現在はWindowsのみ対応だが、Mac/Linuxへの対応も考慮しているという。なおKickstarterキャンペーンの期限は18年1月22日。今から来年の自分用クリスマスプレゼントにいかがだろうか。

Takuya Ashikawa
Takuya Ashikawa

デジタル・アナログ両方とも大好きなゲーマーです。ストラテジーゲームが好きだけど、毎度詰めが甘くて負けてます……。皆様の心を動かすようなニュースを紹介していきたいです。

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