トランスジェンダーなキツネが旅をする『Super Lesbian Animal RPG』開発中。LGBTなケモノたちが「自分」を見つけていく

まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第490回目は『Super Lesbian Animal RPG』を紹介する。『Super Lesbian Animal RPG』は、『FINAL FANTASY』や『MOTHER』シリーズから影響を受け開発されているというRPGだ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第491回目は『Super Lesbian Animal RPG』を紹介する。

Super Lesbian Animal RPG』は、『FINAL FANTASY』や『MOTHER』シリーズから影響を受け開発されているというRPGだ。主人公となるのは狐の女の子Melody Amaranth。Melodyはちょっと内気ながらごく普通の狐であるが、大親友であるAllison Goletaに深い愛情を抱いており、自身がトランスジェンダーであることに気付きつつあった。相思相愛であるMelodyとAllisonは、とある理由により冒険に出ることを決意。ひねくれもので皮肉屋でトランスジェンダーであるClaire、慈悲深い騎士であるJodieがパーティーとして加わり、旅は始まる。ただおせっかいな成熟しきっていないケモノたちは、いつしか故郷の運命をも背負うようになっていく。

『Super Lesbian Animal RPG』は、開発者であるBobby Schroeder氏のLGBTについての想いが描かれている作品だ。自身がバイセクシャルのトランスガールであるSchroeder氏により、ケモノやLGBTというテーマをベースとした物語が紡がれる。MelodyたちがどのようにLGBTとしてのアイデンティティを確立していくか、どう自分を受け入れていくかという部分が深く描かれるという。主要人物はLGBTではあり、女性キャラクターの比率が高いが、世界にはストレートな人々や男性も存在しており、「世界の人々の全員がLGBTであると望んでいるわけではない」とも語っている。ただ、LGBTの人々は横へのつながりが生まれやすいので、LGBTの人物が多くなるのはそうした集まりやすさが理由だとしている。

タイトルやテーマにインパクトがあるものの、ゲームとしても時間をかけて開発されているのも本作の特徴だ。氏が2013年にRPGツクールVX Aceにて開発したタイトルをリメイクした作品となっており、グラフィックやゲームプレイなどあくまでRPGとして楽しめるように丁寧に作られているという。戦闘システムは『MOTHER 3』をベースにしつつ、ジョークや皮肉を盛り込み、いろんな人々に遊んでもらえるように作られているようだ。昨年公開されたトレイラーを見ても、ゲームとして気合を入れて作られていることがわかるだろう。

対応プラットフォームはPCで、発売時期は2018年。itch.ioにて1000円で発売予定であるとのこと。近日中にデモが公開されるとのことなので、気になる方はそちらをチェックしてみてほしい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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