『ドラゴンボール』から影響を受けた一人称視点のRPG『AWAY』開発中。日本語OPから始まる冒険、PC/PS4/Xbox One/Switchで発売へ
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第471回目は『AWAY: Journey to the Unexpected(以下、AWAY)』を紹介する。
『AWAY』は一人称視点で展開されるロールプレイングゲームだ。フィールドは3Dポリゴンで、キャラクターなどは鳥山明作品を思い起こさせるアニメ絵で描かれる。PAX Westにて同ゲームのブースを取材したPC Gamerは『ドラゴンクエスト』シリーズのようだと表現しているが、開発元は弊誌に対し「日本のゲームのファンであるが、むしろ『ドラゴンボール』(ただしZまで)からもっとも強い影響を受けている」と語った。映像を見る限り、なめらかに動くアニメーション2Dとポリゴンの3Dがうまく融合されている印象を受ける。
ゲームジャンルはロールプレイングゲームとなっているが、いわゆる『The Elder Scrolls V: Skyrim』のような大作ではなく、8-10時間で終わるが奇妙ながら満足できるような作品を目指して開発されているという。プレイヤーはほどよく広いフィールドを冒険し、個性的なキャラクターとの出会いと別れを繰り返し、ストーリーを進めていく。戦闘は探索からシームレスに展開され、リアルタイムに進行していくので、アクション性は高い。キャラクターと交渉すること仲間(同盟)を増やし、自分の所属組織を決めて進めるといった自由度の高いシナリオ進行が用意されているようだ。また詳細は不明であるが、本作はローグライト要素を含んでいるという。
映像を見た人ならば気になるであろう背景で流れる日本語の歌については、楽曲制作を担当しているKazuhiko Naruseの強い推薦により決まったという。当初は導入予定ではなかったが、Naruse氏は親切かつ面白い人物で、最終的には氏の提案に開発スタッフは抗えなかったとのこと。同曲を歌っているのはAya Majiro(真白 彩)氏でBoukichi氏が作詞を担当している。
開発を手がけているのはフランス出身のクリエイターAurelien Regard氏とJim Gennisson氏の2名。Regard氏はArkedo Studioに所属するデザイナー兼プログラマーで、Gennisson氏は『Rayman』や『Monster Boy and the Cursed Kingdom』のレベルデザイナーを務めているという。経歴的には2D作品が目立つが、以前よりカラフルで楽しい一人称視点のゲームの制作を熱望しており、そうしたアイディアと90年代アニメへの愛情を組み合わせたことで本作は生まれたようだ。
『AWAY』はPCに加えてPlayStation 4、Xbox One、そしてニンテンドースイッチでも発売予定だ。先日Nintendo UKが公開したインディータイトル紹介トレイラーにちらりと映っていたので知っている人もいるかもしれない。Steamストアの発売予定は2017年中とされているが、公式サイトでは「(開発が)100%であると思ったのちにあらためて告知する。」と記されており、もう少し時間がかかるかもしれない。Steamストアには日本語対応の記述はないものの、日本へのリスペクトを強く感じさせる作品であるだけに、日本語への対応に期待したい。