緻密なドット絵で描かれる『Bushiden』が開発中。『ロックマン』や『メトロイド』から影響を受けたサイバー忍者・アクションゲーム

別々の国に暮らす2人のインディー開発者からなるPixel Arc Studiosが、2Dアクションゲーム『Bushiden』を開発中だ。「武士伝」というタイトルが示すように、本作には所々に日本を感じさせる要素があり、主人公は(武士ではなく)忍者風の出で立ちで日本刀を武器にし、敵にも忍者や野武士、鎧武者のようなキャラクターが登場する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第456回目は『Bushiden』を紹介する。

別々の国に暮らす2人のインディー開発者からなるPixel Arc Studiosが、2Dアクションゲーム『Bushiden』を開発中だ。「武士伝」というタイトルが示すように、本作には所々に日本を感じさせる要素があり、主人公は(武士ではなく)忍者風の出で立ちで日本刀を武器にし、敵にも忍者や野武士、鎧武者のようなキャラクターが登場する。また、ステージには漢字が書かれた看板も確認できる。しかし、本作の舞台は日本の戦国時代などではなく、サイボーグが闊歩する未来の世界だ。

公式サイトの背景画像。主人公Reyleeのほか、彼の姉やGaohと思われる人物の姿が確認できる

本作の物語は、主人公「Reylee(レイリー)」の姉が行方知れずになってしまったところから幕を開ける。そして時を同じくして、悪の軍団を率いる「Gaoh(ガオウ)」と呼ばれる男が復活したとの噂が駆け巡る。この二つの出来事が同時に起こったことは偶然ではないと感じたReyleeは、Gaohが二度と蘇らないよう討ち倒し、そして姉を救い出すべく旅に出る。

Pixel Arc Studiosは本作について「サイバー忍者・アクション・プラットフォーマー」だとしており、Reyleeは一見生身の人間のようだが、片腕だけはサイボーグ化している。ゲームプレイは横スクロールで進み、ジャンプアクションでハザードを越えたり、足場から足場へ飛び移りながら敵を倒していくクラシックなスタイルだ。敵には前述したようなさまざまなサイボーグ兵が登場し、プレイヤーは日本刀での斬撃で戦う。場面によってはジャンプしながらの回転斬りや、スライディング斬りといった技を駆使してスピーディーに切り抜けていくことも可能。また、ゲーム画面のHPゲージの横にはクナイや手裏剣のアイコンが表示されているため、こういったサブ武器も用意されているようだ。

サブ武器のアイコンの横には、数字の付いた火の玉などのアイコンも確認できる。本作では、「Tech Shop」という場所で「Chi Spell Attack」なるものを購入できることから、さまざまな魔法・忍法を表示されている回数分使用できるのだろう。また詳細は不明だが、本作には独自の「クラウドコントロール・コンバットシステム」が搭載されており、多数の敵を同時に相手にする場面であっても、対等に渡り合えるよう工夫されているという。

ステージには、プロローグステージのあとに工場地域・洞窟・市街地・下水道・研究所・砂漠地帯の6つのステージがアンロックされ、これらは好きな順番でプレイできる。いずれも機械で溢れる未来的な雰囲気だが、退廃した世界観で描かれているのはGaohの復活による影響を表現しているのだろうか。そしてこの6ステージをすべてクリアすると最終ステージがアンロックされる。最終ステージはどのような場所が舞台になるのか、こちらはまだ明かされていない。なお、それぞれのステージのボスを倒すたびにReyleeのアクションや戦闘のアビリティがアップグレードされていくのだが、一度クリアしたステージ(プロローグを除く)をふたたび訪れると、これまでは行けなかった場所へ到達できるようになるなど、アビリティを利用した探索要素も用意されている。Pixel Arc Studiosによると、こういった探索をしなくてもゲームをクリアすることは可能だが、魅力的な要素をさまざま隠してあるのでぜひ探してほしいとしている。

本作のゲームプレイ映像を見るとカプコンの『ストライダー飛竜』を思い起こさせるが、Pixel Arc Studiosは、同作を参考にはしたものの本作への影響はそれほど大きくはなく、ゲームシステム的にいうとむしろ『ロックマン』と『メトロイド』を組み合わせたようなゲームだと表現している。メインの武器以外にもさまざまな攻撃手段が用意されていたり、プレイするステージを自由に選べたり、あるいは探索要素があったりという部分はまさにそれらのゲームの特徴だが、ほかにも影響があるのかもしれない。一方でグラフィックに目を向けると、『ストライダー飛竜』を含め1990年代辺りのゲームからの影響は明らか。緻密に描き込まれたピクセルアートによる滑らかなアニメーションには彼らもこだわりを持って開発しているそうで、それが本作の魅力の一つとなっている。

『Bushiden』はPC/Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox Oneでの発売を目指して開発中。発売時期は現時点では不明だが、Pixel Arc StudiosによるとKickstarterで開発資金を募る予定だそうで、そこで本作のさらなる情報が明らかにされるだろう。

主人公Reyleeと本作のタイトルロゴ。なぜかロゴのバックには「線香」の文字が
Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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