オープンワールド2DアクションRPG『Cat Quest』剣と魔法の動物世界を旅するキュートな冒険ネコ、日本語対応で来月発売へ

シンガポールに拠点を置くインディースタジオThe Gentlebrosが、2DアクションRPG『Cat Quest』を開発中だ。彼ら曰く、本作は『The Elder Scrolls V: Skyrim』のようなオープンワールドを採用し、『ファイナルファンタジー』のような世界の中で、『ゼルダの伝説』のようなバトルと探索をおこなうゲームだという。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第452回目は『Cat Quest』を紹介する。

シンガポールに拠点を置くインディースタジオThe Gentlebrosが、2DアクションRPG『Cat Quest』を開発中だ。彼ら曰く、本作は『The Elder Scrolls V: Skyrim』のようなオープンワールドを採用し、『ファイナルファンタジー』のような世界の中で、『ゼルダの伝説』のようなバトルと探索をおこなうゲームだという。ずいぶんと大きなタイトルを3つも持ち出してきたが、もちろんそれらと肩を並べるような超大作を目指しているわけではない。

本作の主人公は“Adventurer”ならぬ“Catventurer”、つまり冒険家のネコである。名前はまだ無い。彼は、悪ネコ・ドラコスにさらわれた妹を助け出すため、ひいてはドラコスの悪事によって混乱に陥った世の中を救うため、「フェリンガルド」と呼ばれる広大な世界を冒険する。

フェリンガルドはオープンワールドの世界で、平野から森、山岳地帯などさまざまな環境があり、中には「バミューダトライアングル」や「禁じられた地」といった謎深き場所も存在する。マップ上には街や教会、洞窟などが点在しているが、これらは一種のアイコンとして表現されている。地続きでそれらのロケーションの中に入っていくという訳ではなく、たとえば街であれば、そのアイコンの前で宿で休んでセーブをするなどといったアクションを選択する形になる。一方、教会や洞窟の場合は、別のマップへ移動する扉として存在している。

本作はシンボルエンカウント形式のため、マップ上には敵モンスターがうろついており、バトルを挑むも逃げるも自由だ。「ドラゴンブラッド」と呼ばれる竜騎士の血を引く冒険ネコは剣をメインの武器として用い、敵の攻撃をドッジロールでかわしながら斬りつけていく。また、魔法(スキル)を使って属性・範囲攻撃や体力の回復をおこなうこともできる。魔法は教会に行くと覚えることができ、お金を消費してアップグレードすることも可能。訪れた教会によって覚えられる魔法が異なるのだが、「ライトニャン」「フレイムパー」「ヒールポー」など、ネーミングがかわいい。

広大なフェリンガルドの世界を自由に冒険できる

洞窟の中には危険なモンスターが生息しているが、その代わりさまざまな装備品を入手できる宝箱が存在する。たとえばアーマーを冒険ネコに装備すると体力や防御レベルを引き上げることができ、ローブや杖を装備すると魔法のためのマナを強化することが可能。自分のプレイスタイルに合わせて、最適な装備の組み合わせを見いだすのだ。洞窟は、フェリンガルドのあらゆる場所に50か所以上存在する。

冒険ネコには、スピアリーという名の守護霊ネコがお供についており、冒険のヒントを与えてくれる。また、旅を進める中ではさまざまな動物キャラクターにも出会うことになる。街などにある掲示板にはサイドクエストの依頼が貼り出されており、それらを請け負うことで、たとえば魔法の封印が解けなくて困っている魔法使いのニャオリンとニャオガンを助けたり、肉に飢えた住民が暮らす呪われた街を訪れたりなど、フェリンガルドを隅々まで探索し、より深く知るきっかけを与えてくれる。サイドクエストは、全体では60種類以上が用意されるという。

ネコが冒険するRPGだから『Cat Quest』というド直球なタイトルの本作だが、もともとは『Copycat』というモバイル向けのダンスゲームとして開発がスタートしたそうだ。画面に2匹のネコが表示され、片方のネコのダンスの動きを、もう片方のネコで真似するというものだったが、プロトタイプを制作したところ全然面白くなくてボツに。ただ、その際に作ったネコの3Dモデルを活かせないかと次に取り組んだのは『Cat Travels』という冒険ゲームだった。それは世界地図のある地点を選択し、ネコが現在地からそこまで移動する間にモンスターとバトルをしたり、アイテムをあつめたりするゲーム。ただし、そういったアクションはバックグラウンドでおこなわれ、プレイヤーの操作は地図をタップすることと戦果を確認することのみ。これもプロトタイプを制作した段階で、これ楽しいか?という疑問が浮かびボツとなった。最初は面白いと思ったアイデアでも、実際に試してみるとそうでもなかった、という繰り返しは開発者あるあるだろう。

なんとか活かそうとした3Dモデルも結局ボツにし、2Dで仕切りなおした

このあとも、さまざまなタイプの3Dネコゲームにトライするが、どれも上手くいかなかった。そんな中、テーマを探索に絞りアイデアを練っていたところ、「オープンワールド」というキーワードが浮かんだそうだ。オープンワールドのゲームはモバイルでは珍しく、2Dに限るとSteamでもあまり見られなかった。そこで、ずっとこだわってきたネコの3Dモデルを思い切って捨て、2Dでネコのキャラクターを描きなおして『Cat Quest』が生まれたのだった。モバイルも視野に入れていることもありシンプルな操作とインターフェースを採用しつつ、バトルと探索の楽しさを詰め込んだ作品を目指している。

このような紆余曲折を経た本作は、Steam Greenlightを通過したのちにイギリスのパブリッシャーPQubeと提携しており、Steam(Windows/Mac)では8月8日(日本では9日)に、iOS向けには8月10日に発売される。ゲームは日本語表示にも対応する。年内にはNintendo Switch/PlayStation 4/Android向けのリリースも予定されている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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