発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第414回目は『Drunk-Fu: Wasted Masters』を紹介する。
『Drunk-Fu: Wasted Masters(以下、Drunk-Fu)』は、対戦アクションゲームだ。プレイヤーが操作するのは筋骨隆々、ムキムキの人形たち。人形たちはお酒を飲みすぎて酩酊状態にあるらしく、見た目だけでなく動きも奇妙だ。そもそも彼らはまともに直立することすらできない。そんな状態で喧嘩をしているので、彼らが繰り出しているつもりであるカンフーパンチは酔拳と表現したほうが的確だろう。戦いの舞台は「アイリッシュパブ」、「クジャバー」、「チキバー」などすべて酒場。閉店しかけの酒場を、迷惑な酔いどれたちが荒らしまわる。
『Drunk-Fu』の特徴は、物理演算によるトリッキーな挙動だ。人形たちはただグネグネと身体をくねらせるだけでなく、素早い動きも見せる。スクリューした人形同士が全速力でぶつかりあうと、どちらかが上空へ打ち上がるなど予測不可能。こうしたコンセプトや映像を見ると人気対戦ゲーム『Gang Beasts』の影響を強く感じさせるが、あちらはライバルを場外に落とすことを目的としている一方で、本作は体力制を採用しており、方向性はやや異なるだろう。ステージには多くの武器が落ちているので、拾ったり相手のものを奪ったりしつつ、ライバルの顔面に攻撃を叩き込む。オンライン対戦は8人まで対応しているほか、ローカル対戦にも対応。
開発を手がけているのはフィンランドに拠点を構えるRusto Games。2011年に設立され、長らくモバイルゲームに携わってきたスタジオだ。2014年に会社の方向を転換し、現在は「友人と遊べる楽しいゲーム」を作ることを目指しているという。iOS/Android/PC向けのゲーム制作を続けながら、過去にはSteamで見下ろし視点の協力アクションゲーム『Spareware』をリリースしている。『Drunk-Fu』はすでにモバイル向けにリリースされており、高い評価を得ている。PC版はコントローラーにも対応しているので、より快適に酔拳が繰り出せそうだ。
『Drunk-Fu』は4月7日から、Steamで早期アクセス版が配信される。完成は夏を予定しており、夏に正式リリースした後も無料でコンテンツが追加されるとのことだ。