発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第409回目は『Tangledeep』を紹介する。
『Tangledeep』はローグライクのダンジョンRPGだ。開発者は「16bitの美しいドット絵」と「戦略的なゲームプレイ」の融合をテーマとして掲げている。また『風来のシレン』シリーズや『Dungeonmans』から大きな影響を受けたとしている。ゲームデザインとしては、手ごわい難易度ながら事故やアクシデントは少ない、「難しいが予測できる」タイトルを目指して開発されているという。
プレイヤーは、まず主人公の「ジョブ」と「特性」を選び、冒険を開始する。ジョブや特性によってダンジョン内部で求められる立ち回りは大きく変化する。たとえば「ブリガンド」を選べば、罠を仕掛けたり後ろからモンスターを攻撃しやすくなるといった狡猾なプレイが楽しめる。「ハンター」は罠を事前に察知できるようになり、ミスを防ぎやすくなる。「スペルシェイパー」になれば、呪文を自身でカスタムして発動することが可能など、どのようなプレイスタイルを選ぶかはプレイヤー次第。特性とスキルを組み合わせれば、より幅広い遊び方が可能だ。
無料配信されているプレアルファ版をプレイしてみたが、かなりテンポよく進む印象を受けた。スムーズに進めやすい一方で、何も考えず進めていくとすぐに敵に倒されてしまう。体力回復の手段が乏しいので、弱い敵との対戦も積み重ねれば致命傷になる。状況に合わせて探索にメリハリをつけることが特に重要であると思われる。
開発はAndrew Aversa氏が中心となって進められている。Aversa氏はもともとゲームコンポーザーとして活動しており、『ソウルキャリバー V』など大型タイトルにも楽曲を提供してきた。氏は影響を受けたタイトルとしてあげていた『Dungeonmans』にも作曲者として参加しており、同作を手がけたJim Shepard氏からゲーム開発のイロハを学んだという過去を持つ。本作のBGMには、氏の本業である作曲家としての才能が色濃く反映されているようだ。
Aversa氏は『Tangledeep』のKickstarterキャンペーンを開始しており、すでに目標額である1万5000ドルを集めている。氏は今回のキャンペーンについて「開発資金は用意されており、グラフィックのアニメーションなど細かな質を上げるための取り組み」であると明かしていたが、残り23日を残して目標額を達成したのは開発スタッフにとって嬉しい報せだろう。
『Tangledeep』はローグライクのダンジョンゲームということもあり、英語の説明文が多い。Aversa氏に日本語ローカライズの予定はあるかと直接訊ねたところ、前向きに検討しているとの返答をいただいた。ただローカライズについては他社の協力が不可欠なので、そういったパートナーを見つかることが重要であるとも述べている。
リリースは2017年冬を予定しているとのことだ。