発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第389回目は『iii』を紹介する。
『iii』は見下ろし型の2Dアクションアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは、どんな理想も実現させることができる奇妙な夢世界。記憶を持たぬまま世界に降り立った主人公は、すぐさまどんな欲望も叶う世界に惹かれてのめり込んでしまう。主人公が気ままに世界を歩いていると、ほかの記憶を失った人々に助けを求められる。彼らの「記憶の欠片」を集めているうちに、自分とはなんなのか、そして夢世界とはなんなのかを問うことになる。
https://www.youtube.com/watch?v=7nbxgw-a13Q
プレイヤーとなる主人公は、人格も過去も持っておらず、イベントが発生し選択肢を選ぶ時のみ言葉を発するという。その選択肢は幅広いものが用意されているとのこと。謎解きやクエストの受注、イベントの選択もある程度の自由が約束されており、素性不明の主人公になりきる「ロールプレイ」が楽しめそうだ。
またゲーム内には細かいギミックが多数存在している。小さなオブジェクトを調べてみると意外な反応があったりするなど、プレイヤーが周囲にあるものをついつい調べてまわりたくなるようなテキストが仕込まれているという。ほかにもイベント失敗時にセーブデータをロードすると「不正だ」と指摘されるなど、セーブデータを利用した小ネタも多く仕込まれている。「世界に直接干渉することができ、周回するたびに新たな発見ができるゲーム」というテーマを目指して開発は進められている。
ゲームシステムについては、魔法の絵の具やボム、バズーカといった武器を駆使し、謎を解いたり敵を倒したりする『ゼルダの伝説』に近いものになるという。装備できるアイテムも幅広く用意されているようで、手強い敵や罠を突破するためにはプレイヤーの腕前だけでなく、アイテムの組み合わせも重要になるだろう。また、複数のキャラクターを操作できることも本作の特徴だ。ワンボタンでキャラクターを切り替えて進むほかに、複数のキャラクターを別々のマップで探索させるといったこともできるようで、キャラごとの特性を把握した頭脳プレイが求められるようだ。
https://twitter.com/_i64_/status/797380364209532928
『iii』の魅力は、2Dで描かれる幻想的な世界だ。ひらけたマップでも暗いマップでも「光」がまばゆくフィールドを照らしている。こうした光を駆使して2Dグラフィックは、美しくもどこか懐かしい印象をプレイヤーに与える。ユーザーインターフェースやイラストなどに散見されるマンガ調のデザインも、ファンタジー色の強い世界をポップに彩っている。美しいフィールドだけでなく、禍々しいダンジョンも用意されているとのことなので、幅広い表現に期待したい。
開発については、楽曲とデバッグは外部に委託しており、それ以外のすべてを、ひとりのクリエイターが担当しているという。ゲーム制作は、RPGツクールVX AceをベースにGameMaker Studio 2を併用して進められているとのこと。
対応プラットフォームはPC。リリースは2018年が予定されており、なんと本作は無料で配信されるようだ。開発者のTwitterやTumblrには数多くのスクリーンショットが掲載されているので、気になる方はそちらもチェックしてみてほしい。