発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第381回目は『Hell is other Demons』を紹介する。
本作はゲームボーイをテーマにしたゲームジャム「GBJam」で生まれた2Dアクションゲームである。そのため4色限定のピクセルアートを用いており、濃紫とピンク色で描かれた毒々しい地獄が舞台となっている。デベロッパーはグラフィックアーティストのHannes Rahm氏。また『VVVVVV』のコンポーザーMagnus Palsson氏がSFXを担当している。
戦場となるのは一画面におさまる小さなアリーナ。プレイヤーは人型のデーモンを操作し、ウェーブ形式で押し寄せる敵を銃撃または踏み付け攻撃によって倒していく。プレイヤーが取れるアクションはジャンプ、二段ジャンプ、急落下、銃撃、そして必殺技(アルティメット)の5つ。ジャンプ回数は敵を踏むとリセットされるため、上手く敵を踏み続ければ空中を飛び回ることができる。敵の種類はコウモリ、羽根のついた目玉、ドクロ、ゴーストなど地獄らしいラインナップとなっている。
プレイヤーキャラクターには体力値と必殺技ゲージがあり、体力が無くなるとステージを最初からやり直すことになる。体力値は敵がまれにドロップするハートを入手することで回復可能。必殺技ゲージは敵を攻撃することで溜まり、ゲージがフルになると広範囲にわたる強力な攻撃を放てる。
敵の多くは攻撃を乱射してくるため、アリーナ上を走り回り、飛び跳ね続けることになる。一箇所にとどまるとトゲが飛び出してくる足場もあるため、敵の攻撃だけでなく足元にも気を配らなければならない。足場が一切なく、敵を踏んで空中を飛び続けるステージも存在する。
ショップエリアでは、敵がドロップするジェムを消費することでアップグレードや武器を購入できる。アップグレードの中には、下方向に銃を発射する『Downwell』風のガンブーツ、ジェムを引き寄せるマグネット、三段ジャンプ、画面の端から端に移動するワープ、ジャンプ力・移動速度・体力値アップなどがあり、後述するアルファ版の時点では計11種類が用意されている。武器は通常銃のほか、ショットガン、弾が上下にうねるウェーブガン、レーザーガンがあり、必殺技には直線型のビーム、円状に爆発するノヴァ、フリーズ能力がある。アップグレードと武器は一度に一つしか装備できないため、効果的な組み合わせを探し出そう。
4色のパレットが生み出すケバケバしいビジュアルは本作の魅力ではあるが、敵やアイテム、足場のトラップを識別しづらいという問題も抱えている。この点に関してはデベロッパーのRahm氏も認識しており、アルファ版のダウンロードリンクを掲載しているフォーラム上にて、改善策を模索している旨のコメントを残している。
『Hell is other Demons』の対象プラットフォームはPC/Mac/Linux。2017年第1四半期中のリリースを目標としており、すでにSteam Greenlightプログラムにも登録済みだ。なお公開中の無料アルファ版では8ステージ目までと、敵がランダム生成されるエンドレスモードがプレイ可能となっている。