第一次世界大戦時の「モールス信号技師」になる『Relay』が近日発売へ。情報伝達役として戦場の鍵を握る

372回目のIndie Pickで紹介する『Relay』は、第一次世界大戦時のイギリスを舞台とするシミュレーションゲーム。プレイヤーは「モールス信号」を送る技師となって、味方が前線で戦うなか、静かな屋内でモールス信号を本営へ送ることで後方支援していく。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第372回目は『Relay』を紹介する。

ゲームの舞台となるのは第一次世界大戦中のイギリス。プレイヤーは、「モールス信号」を送る技師だ。味方が前線で戦うなか、静かな屋内でモールス信号を本営へ送ることで後方支援していく。地味な仕事であるが、前線と本営をつなぐ貴重な情報ラインなので、戦場の鍵を握るともいえる。モールス信号技師として仕事を迅速かつ的確にこなし、クリスマスまでに愛する家族のもとへと戻るというのがゲームの目標となる。

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『Relay』は、実際の第一次世界大戦時の背景をベースに物語が作られている。たとえば、1914年ごろのイギリス東部は、両者が動きを見せないことで膠着し続けており、兵士たちの戦場にいる時間のほとんどが、敵よりも退屈さと戦うことに費やしていたというエピソードが描かれる。重要な局面も存在するものの、単調な日課をこなしていくのが基本的な流れだという。また第一次世界大戦において、イギリスはしばしば勝者として描かれるが、ゲーム内ではそういった英雄譚ではなく、事実上の休戦状態にもかかわらず過酷であった1914年当時の状況が語られるようだ。

操作としては、FとJのふたつのキーを使ってモールス信号を入力し、メッセージを作成する。ゲームが進むにつれて兵士が食料 不足を訴えかけるなど、メッセージを介して物語が進行していく。映像では、モールス信号を入力する右手が3Dで描かれており、左手では紙を移動させたりめくったりできるようだ。モールス信号の符号表を確認しながら入力するのが基本となるだろう。

プレイ中は、届いた情報をもとにモールス信号を送るだけでなく、プレイヤー自身の状況判断に委ねられるシーンや書類の中から資料を探す必要もあるなど、日ごとにさまざまなイベントが発生するようだ。またモールス信号の送信のほかに、プレイヤーは「兵士から家族へと届けられる手紙の検閲」という仕事もこなす必要がある。実際にこうした手紙から戦況の情報が相手にわたってしまうことがままあったようで、厳しく手紙の内容をチェックしなければならない。

本作はゲームジャムLudum Dare 34にて生まれた作品で、周囲の評価がよく、なおかつ開発者であるJon Reid氏がゲームの世界観をもっと広げていきたいと感じたことから、すぐに製品化することを決めたそうだ。Jon Reid氏はイギリス在住のデベロッパーで、普段はクライアントのためにゲームを作っているが、趣味でもゲームを作っているのだという。ゲームの完成は近付いており、2017年初頭にはリリースされるとのことで、すでにSteam Greenlightを通過している。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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