人間社会の中でのサバイバルを描く『Vestige of the Past』など、今週紹介したインディーゲームをまとめる「Weekly Indie Pick」


「Weekly Indie Pick」は、発売前のインディーゲームを紹介する「Indie Pick」で今週紹介されたタイトルをおさらいする週間企画。今回は年末年始を挟んでいるので、2016年12月23日(金)から1月7日(金)に登場したインディーゲームをひとまとめにして見ていく。

今回の注目タイトルは『Vestige of the Past』だ。『Vestige of the Past』はオープンワールド型のサバイバルゲームでありながら、ゾンビも怪物も登場しない。あくまで人間社会を生き抜くことを目的としている。現実世界に似ながらも“少し違和感を抱く”ようなデザインになっているとのことで、この他のサバイバルゲームにはない独自の路線がどうゲームに落とし込まれるのかが楽しみだ。

 

Escape the Loop

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『Escape the Loop』は、“繰り返される5分間”にとらわれた人物を操作してタイムループからの脱出を試みるアドベンチャーゲーム。主人公以外の人物や車などは毎回まったく同じ行動を繰り返す。プレイヤーは何度も「5分間」を繰り返しながら世界のパターンを知り、タイムループを引き起こしている原因を突き止めていく。本作では、新しいタイムループを始める度にワールドに登場するキャラクターやロケーションが変化し、異なる世界が生成されるという。マルチエンディングの可能性も示唆されているが、どのような物語を描くのかなど、詳しい舞台設定は明らかにされていない。(紹介記事

 

Ary and the secret of seasons

『Ary and the secret of seasons』は3Dアクションアドベンチャーだ。物語の舞台は季節ごとに番人が設置されている世界「Valdi」。主人公となるのは冬の番人「Gwenn」のひとり娘「Aryelle」で、彼女は季節を変化させる能力を持っている。たとえば、積雪したフィールドに現れる「厚着したゴブリン」と対面している際にフィールドを春にすれば、暑さでゴブリンたちの行動を一時的に止めることができる。普通に戦えば手ごわいゴブリンも、季節を変化させることで一気に有利な状況を作りだせるわけだ。ほかにも、緑色の大樹が倒れており進めそうにない道も、季節を冬に変えてしまえば通ることができるようになるなど、季節間の差異を用いた凝ったギミックが散りばめられている。(紹介記事

 

Highrisers

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『Highrisers』は2DサバイバルRPGだ。それぞれ異なったスキルを持つ4人のキャラクターを操作して、奇妙な生物が歩き回る都市から脱出することが目的である。地上はとても危険なため、プレイヤーはビルから外へ出ることはできない。したがって、ビルの屋上にあるヘリコプターを修理するしか別の場所へ移動する方法はないのだが、ヘリコプターは長い距離を飛ぶことができないため、ビルからビルへと飛び移りながら脱出を目指すことになる。

ビルの中という狭い空間で戦いながら生き残るためには、単純な戦闘やクラフティングだけではなく、化学や工学といった研究も重要となる。4人のキャラクターと彼らが得意としている技術はそれぞれ異なっているため、うまく使い分けることで状況を打破しなければならない。(紹介記事

 

Fictorum

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『Fictorum』はファンタジーの世界を舞台としたアクションRPG。本作は「魔法」に特化したゲームデザインが特徴的だ。主人公は、かつて世界を絶望に陥れた魔法使いの一族「Fictorum」の末裔。主人公であるプレイヤーは「伝説の魔法」を使って傭兵や戦士を倒し、時には建物すらも破壊する。敵と対象を決め、三角形の魔法陣のゲージを調整することで、任意の魔法が発動する。三角形の頂点に設定されている属性は自由にセットすることが可能なので、幅広い魔法が作れるのだという。どの魔法も美しく派手なものが多く、画面切り替えなどがなくシームレスに魔法を生み出し、敵を攻撃しているだけでもかなりの爽快感が味わえそうだ。(紹介記事

 

Vestige of the Past

『Vestige of the Past』は人間社会を舞台としたサバイバルゲームだ。本作にはゾンビもモンスターも存在しない。空腹や喉の渇きといった生理的欲求を満たしつつも、コミュニティの中で働き、社会の一員としての帰属的欲求を満たしていく。オープンワールドとサバイバルを組み合わせた作品にはポスト・アポカリプス的な退廃した世界観が多いが、本作はUnreal Engine 4の力で現代的で小奇麗な街並みを作り上げている。現時点ではシングルプレイのみを想定したタイトルであり、ストーリーモードが存在する点も本作の特徴としてあげられるだろう。(紹介記事

 

AdventurOS

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『AdventurOS』は迷宮を探索するメトロヴァニア型のアクションアドベンチャーゲームだ。舞台となる迷宮の生成メカニズムには秘密が隠されている。実はこの迷宮は、プレイヤーのPC内のディレクトリ構造、ファイルの種類や名前、そしてフォルダのサイズに応じて作成されるのだ。つまり、プレイヤーは擬似的に自分のPC内を探索することとなる。フォルダ自体がひとつの「部屋」になっており、そのフォルダに置かれているファイルの種類によって敵やアイテム、NPCが生まれるという仕組みだ。こうしたPC内を分析して迷宮にするメカニズムを考えると、プライバシーやセキュリティに対して危惧してしまう部分もあると思われるが、あくまでゲーム内の生成にのみ使われるようなので安心してほしい。(紹介記事